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日本のカーボンニュートラルに貢献!-中小企業のSBT(SME)支援とは-
PROFILE

野村 裕紀子

環境事業本部 ESC事業部 営業推進課 2007年中途入社 

副主任としてWEBマーケティングで会社のホームページのコンテンツ作成や管理をしながら、中小企業のSBT(SME)支援事業の立ち上げに取り組んでいる。 仕事においては自身が『良いと思えることをする』をモットーに、自社の脱炭素化の取り組みも中心人物となって進めている。 趣味は、登山、芸術鑑賞など。マイファームで野菜を育てたり、脱プラを考えた生活を心がけたりと、『ライフスタイルをどこまでカーボンニュートラル化できるか』について子どもと楽しみながら模索している。

マイファームでご家族と野菜作りを楽しんでいる
インタビュー

―エコ・プランが行っているSBT(SME)支援について、具体的に何をされているか簡単に教えて頂けますか?

野村) まずは前提として、皆さんもご承知の通り気候変動を人間の力で抑制できる可能性がある期限は2030年、それまでに温室効果ガスを50%削減することが必要です。

あと8年しかなく、毎年4.2%の温室効果ガス排出量を減らす必要があります。

そんな中、多くの企業、特に中小企業は、自らの事業活動でどれだけの温室効果ガスを排出しているのか把握していないというのが現状です。CO2削減目標を掲げる企業もわずかです。

SBTは、世界の算定基準に従って、世界共通の削減水準に沿った目標を設定するもので、弊社ではその目標設定を支援しています。基本的には中小企業を対象に支援します。

―今までは、削減水準は世界共通ではなかったということなのでしょうか?

野村) SBTやCDPが広がるまでは、それぞれの会社で創り上げた評価であったり、前年度からどれだけCO2削減が出来たか、といった報告であったりと、評価基準はバラバラで科学的根拠に沿ったものでもありませんでした。

SBTは基準が統一されていて、具体的には、お客様が事業活動を行う中で排出している二酸化炭素の排出量を、ガソリンなどの燃料の使用量や、電気の使用量などから係数をかけて算定し、現状の排出量を把握したうえで、科学的根拠ある削減目標を設定します。

それができると、SBT(SME)に申請すれば認証されます。

―SBT認証が受けられると、企業としてはどんなメリットがあるのでしょうか?

野村) SBTの削減目標を設定したお客様は、『いつまでに、何を、どのくらい削減する必要があるのか』について明確に把握することができ、企業経営計画に組み込むことができるので、具体的な削減活動を実行できるようになります。

あとは、今は世界のESG投資が100兆ドルと言われる時代です。

投資家から融資を受けたり、『持続可能な経営ができる企業かどうか』の評価を受けたりするためには、TCFD( 気候関連財務情報開示タスクフォース)とともに、SBT認証は重要な条件になっています。

※ESG投資とは環境(environment)、社会(social)、企業統治(governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資。国際連合が2006年、投資家がとるべき行動として責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)を打ち出し、ESGの観点から投資するよう提唱したため、欧米の機関投資家を中心に企業の投資価値を測る新しい評価項目として関心を集めるようになりました。

出典:https://kotobank.jp/word/ESG%E6%8A%95%E8%B3%87-1611233

右から2番目が野村。(RE Actionのイベント参加時の写真)

―勉強になります。 エコ・プランが行っているSBT(SME)支援の課題・今後強化したいことなどありますか?

野村)支援できる人材を増やすことと、支援の質を上げること、そして、自社の温室効果ガスの削減にも取り組むことです。

人材を増やすことで、より多くのお客様を支援することができますし、支援の質を上げることで、より広範囲の削減をサポートできます。 

自社の温室効果ガスの削減に取り組みについては、お客様の参考事例となりますし、信頼や励みにつながると考えていますので、しっかりと目標達成に向けて取り組んでいきたいと思っています。

―中小企業のSBT(SME)支援を行う中で、やりがいはどういったときに感じられますか?

野村)やりがいは常に感じています。

冒頭で、現状としてCO2削減目標を掲げる企業はわずか、と話しましたが、日本の会社の99.7%は中小企業です。 だからこそSBT(SME)の支援に取り組む価値があると考えています。

あとは『脱炭素のために何か取り組みたい』というお客様と出会えること、お客様がどんな思いで気候変動に取り組もうとしているかを知り、そのお客様の現状把握や、削減目標設定のお手伝いができること、そして、喜んでもらい、感謝してもらえること、一緒に削減に向け、励む仲間になれること、これらの積み重ねで、少しでも確実に、温室効果ガスの削減につながるということ、世界の日々変化する動きに参加できていること、、、全てやりがいです。

―色々教えて頂きありがとうございました! 最後に、就活生の皆さんへ応援メッセージをお願いします。

野村) 会社の事業に関心が持てるか、その会社の人や雰囲気を見て、笑顔で一緒に仕事をしている自分がイメージできるか、そして自分の心がわくわくしているか、が重要だと感じます。

皆さんが良いと思える企業に入社できるよう、応援しています。

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