台風15号の影響で依然として停電が続いている地域があり、復旧に時間がかかっています。日本のこれからの災害対策はどのように進められていくのでしょうか。
日本の災害対策
内閣官房のHPに【ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会】の概要が紹介されています。
※レジリエンスとは、「回復力」「復元力」または「弾力性」といった意味合があり、外的な刺激に対する柔軟性を表す言葉です。
ここで令和2年度の国土強靱化関係予算概算要求の概要、総額約5兆円の内容がまとめられています。
参考:
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/resilience/dai50/siryo2-2.pdf
重点化すべき15のプログラム案
国が災害対策を行う上で目標とするのが、下記の4つです。
- 人命の保護が最大限図られる
- 国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けずに維持される
- 国民の財産及び公共施設に係わる被害の最小化
- 迅速な復旧復興
事前に備えるべき目標として6つの大枠に分けられています。
- 直接死を最大限防ぐ
- 救助・救急、医療活動が迅速に行われるとともに、被災者等の健康・避難生活環境を確実に確保する
- 必要不可欠な情報通信機能・情報サービスは確保する
- 経済活動を機能不全に陥らせない
- ライフライン、燃料供給関連施設、交通ネットワーク等の被害を最小限に留めるとともに、早期に復旧させる
- 制御不能な複合災害・二次災害を発生させない
プログラムにより回避すべき起きてはならない最悪の事態15項目が公開されています。
エネルギーや上水道等のライフラインの機能停止を回避する
この中に、災害時のエネルギー供給確保のための取り組みも含まれていました。
最後に
国による対策には限度があります。台風15号の最大風速は約60mでしたが、東京に風速60mの風が吹いたらどうなるのでしょうか。これから私たちは風速何メートルまで耐えられるように準備すべきなのでしょうか。
世界では風速100mを超えるハリケーンも発生しています。そうした風に耐えられる設備を完全に準備しておくのは難しいのではないかと感じます。
災害の大きさや頻度を少しでも減らすために、温室効果ガスを削減する取り組みは不可欠だと考えます。
もしかしたら高層ビルにも自家発電やシャッターを付ける、といったことが必要になるかもしれません。
ただ、一番必要なのは、便利なものが使えなくなった時、どうするか、一人ひとりが考え、覚悟と最低限命をつなぎとめるための知恵を集めておくことかもしれません。