エアコン修理を行う同業者としての見解
皆さんもニュースを見てご存知だと思いますが、
今年7月、岐阜市の病院で、エアコンが故障した階に入院していた
83歳から85歳までの入院患者5名が亡くなる事件が起きました。
病院の3階と4階で7月20日からエアコンが止まっていたということです。
病院側はエアコンが止まった部屋に扇風機1台を置いて対応していましたが、
司法解剖の結果、亡くなった5名の一部に熱中症の所見がみられたようです。
参考元URL:
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201808/CK2018082902000269.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201808/CK2018082902000269.html
※リンク切れとなる可能性がございます。ご了承ください。
実際、病室はどのような状況だったのでしょうか
エアコンが止まっていた7月20日から患者さんが亡くなった7月28日までの岐阜市の最高気温を調べてみました。
7月20から28日までの岐阜市の最高気温
(参照元:気象庁過去データ)
7/20 36.0度
7/21 36.7度
7/22 38.8度
7/23 39.1度
7/24 37.4度
7/25 37.2度
7/26 35.0度
7/27 32.4度
7/28 35.4度
ご覧の通り、35度以上の猛暑日が7日間続いています。
今回、エアコンが故障した病室内には扇風機が1台設置されたようですが、39度の室内は「過酷な環境」だったと言えるのではないでしょうか。
熱中症救急搬送状況
下の表は総務省が公開している昨年と今年の熱中症救急搬送状況です。
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html
H30 4/30~9/9で93,199人、H29は5/1~9/10で51,984人なので、
今年は昨年より41,215人増えています。
体温調節が未発達な子供や体温調節能力が低下してくる高齢者には、
猛暑は「つらい」を通り越し、健康被害に及ぶ危険性が高くなっています。
来年の夏、そしてそれ以降の夏も、毎年気温が上がっていくのでしょうか。
今回、死亡事故が起きてしまった病院では、
エアコンが故障した後に修理を依頼したそうですが、
修理に必要なエアコンの部品を業者側で調達できず、
現在もエアコンは停止したままだそうです。
(2018年9月25日現在)
同業者の見解として
事件当初にエアコンの修理対応ができていなかったことについては
同業者としての反省点はあるものの、状況的に致し方ない部分もあったと思います。
というのも、2018年の夏はエアコンの修理依頼が殺到して
メーカーや、弊社に協力いただいている修理業者なども早急な対応ができず、
修理対応できるまでに時間がかかってしまう状況がありました。
「マンパワー」が売りの弊社でさえ対応が追い付かず、お客様に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。
この事件は、エアコン修理を行っている弊社としても、
非常に身近に起こりうる切迫した衝撃的な出来事でした。
病院の修理対応はもちろん優先して対応しておりますが、
いつ同様のことが起こってもおかしくない状態でした。
空調の部品はものによって、手配後3,4か月待たないと納品されないものもあります。
空調メンテナンスの弊社としては、夏場の混雑を避けた早め早めのメンテナンスをお勧めいたします。
今回改めて、エアコンのメンテナンスが人の健康被害、
ひいては命に関わることを再認識させられました。
エアコンとは快適に過ごすためだけの設備と思われてきましたが、
健康管理のための設備と認識を改める必要性があるのかもしれません。
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