2022年4月、中小企業向けのSBT(SME)の申請フォームが、何度か変更されました。今回は2022年4月26日時点のフォームについて簡単に解説します。
目次
SBT(SME)どこが変わった?
弊社のエコトピックでも紹介させていただいたこれまでの中小企業向けSBT(SME)申請フォームとどこが違うのでしょうか。ポイントは5つあります。
- ①森林、土地、農業セクター(FLAG)の設問が追加されました。
- ②ネットゼロ目標が追加されました。
- ③2021年基準年のターゲットが追加されました。
- ④公開GHG排出量情報のアップロード項目が追加されました。
- ⑤利用規約のアップロードが追加されました。
一つ一つ解説していきます。
森林、土地、農業セクター(FLAG)の設問が追加!
現在SBTで開発が進められており、ウェブサイト上でガイダンスが公開されている【 森林、土地、農業セクター(FLAG)】についての設問が1つ、SBT(SME)の申請フォームに加わりました。
2022年9月以降は、現在SBT認定を受けている企業にFLAG目標の設定が必須になるようです。
該当する企業は下記のとおりです。
ネットゼロ目標が追加!
既存の2030年までの短期目標に加え、ネットゼロ目標のみを選ぶものと、短期目標+ネットゼロ目標を選択できるようになりました。
1.5度目標が野心的とされていましたが、さらに野心的な目標が追加された形となります。
※ネットゼロ目標とは、SCOPE3も含めて、企業の活動から発生する温室効果ガスを最終的に0にすることを約束する長期的な目標です。
2021年基準年のターゲット追加!
以前は、各目標に対して、2018年、2019年、2020年基準の3つから選ぶ形でしたが、2021年が追加されました。
公開GHG排出量情報のアップロード追加!
公式GHG排出量情報をアップロードする項目が追加されていました。必須項目にはなっていません。何もアップロードしない場合は、ターゲット認証されないのか、SCOPE1,2の算定データや、公開したなんだかの資料をアップロードすればいいのか、現在SBT事務局に確認しています。
利用規約のアップロード追加!
最後に
今回のSBT(SME)申請フォーム変更の前、実は、全く別のSBT(SME)申請フォームが1,2週間オープンしていました。それは、SCOPE3の主要な排出に関わる設問や、ネットゼロに関連する長期目標に関わる設問が含まれたものでした。
世界中から問合せが相次いだのか、システム設定のミスなのか、わからないのですが、すぐに、これまでのSBT(SME)申請フォームに近い形に変更されました。
今回はその内容の中から、ポイントとなる変更点について、ご紹介させていただきました。
フォーム変更前に申請し、手続きの途中だった企業からは、再度新システムからの申請の要請が来ているようです。
今後もSBTの各セクターのプログラム開発状況に合わせて、1か月、2か月といった間隔で追加や変更があるかもしれません。
SBTや、なんだかの気候変動対策、脱炭素経営に取り組むご予定がある場合は、申請内容が難しくなる前に、早めに着手されることをお勧めいたします。