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暖冬のメリット、デメリット~日本の冬はなくなる?~

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脱炭素関連
暖冬 雪のないスキー場

今年(2019~2020)の冬はスキー場に雪がない場所も多く、暖かいと感じている方は多いのではないでしょうか。気のせいではなく、気象庁の観測データからも暖冬の傾向は明らかです。

今年の冬(2019~2020)はこんなに暖冬!

気象庁のホームページ【1月の天候】の中で、2020年(令和2年)1月の天候の特徴が紹介されていました。

■東・西日本では記録的な高温となりました。
全国的に寒気の南下が弱かったため、気温は東・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、北日本では高くなりました。東・西日本では、1946年の統計開始以降1月として1位の高温となりました。

■日本海側を中心に降雪量は記録的に少なくなりました。
冬型の気圧配置が続かず、全国的に寒気の南下が弱かったため、日本海側を中心に降雪量はかなり少なくなりました。

北・東・西日本日本海側の降雪量はかなり少なく、1961年の統計開始以降1月として最も少なくなりました。また、北日本日本海側は降水量もかなり少なく、1946年の統計開始以降1月として最も少なくなりました。

■沖縄・奄美では、降水量がかなり少なく、日照時間がかなり多くなりました。
沖縄・奄美では、高気圧に覆われやすかったため、降水量がかなり少なく、日照時間がかなり多くなりました。

2020年1月の気温と降水量

引用:気象庁

2月も平年よりかなり暖かい!

1年で最も寒いはずの2月も暖かい日が続いています。2月13日は全国で4月並みの気温となり、和歌山県新宮市では24.8度を記録しました。

2020年2月13日の気温

引用:気象庁

暖冬で暖房に必要な電力も削減

気温が高い日が続くと、暖房をつける回数が減ります。設定温度も外気温との差が少ないことから、使用電力を低く抑えられます。

とある大手電力会社では最大電力が想定より約1割下回ったということでした。

また西日本を中心に好天が続いたことで、太陽光発電の安定供給につながり、石油、火力発電所といったコストが高い発電を抑えることができた発電所では、電力コスト全体も低く抑えられたそうです。

さらに、北日本や日本海側では積雪の減少で太陽光パネルに雪が積もらず、例年より発電量が安定したようです。

閉鎖されたスキー場を活用した、太陽光発電施設が、今後増えるかもしれません。

スキー場 太陽光発電 イメージ

暖冬と降水量、降雪量の減少の影響は?

暖冬や降水量、降雪量の減少の影響は、スキー場営業日数の減少や、閉鎖だけでなく、農業被害も懸念されています。

土が凍るのを防いでいた積雪がなくなり、長芋など出荷前の農作物が凍ってしまったり、動物の食害から農作物を守っていた雪がなくなり、対応に迫られたり、雪室に使用する雪も不足しているということでした。

今後水不足や病害虫被害が懸念されています。

また、わかめなどの海藻類も、海水温の上昇が原因と思われる不作で、手に入りにくくなっています。真珠や牡蠣の養殖にも影響が出ているようです。

暖冬で雪かき等の重労働がなくなって楽になり、暖房の使用電力が減るというメリットもありますが、冬物衣料品やお鍋関連商品などの売り上げ減少等、広範囲に影響が及んでいます。

【2100年未来の天気予報】 日本から冬はなくなる?

環境省HPに、【2100年未来の天気予報】という動画が公開されています。

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/2100weather/

パリ協定が目指す「1.5度目標」を達成した場合でも、達成しなかった場合でも、2100年、東京の2月は22度以上の気温になる、と紹介されています。

2100 天気予報

【2100年未来の天気予報】が公開されたのは2019年7月8日ですが、2019年12月に、IPCCから【変化する気候下での海洋・雪氷圏に関するIPCC 特別報告書】が発表されました。

IPCC 海洋 雪氷圏特別報告書

この内容の中に、「予測より7倍速いスピード(700%)で南極やグリーンランドの氷床が溶解している」、という内容の記述があるように、環境省が【2100年未来の天気予報】を作成した時点より、気候危機は悪化しており、その変化スピードも速くなっています。

80年後の天気予報は5年後の天気予報になるかもしれません。
現に、2020年1月28日の大阪の最高気温は19.1度でした。

変化する気候下での海洋・雪氷圏に関するIPCC 特別報告書 抜粋内容

IPCC 変化する気候下での海洋・雪氷圏に関するIPCC 特別報告書 

引用:公益財団法人 地球環境戦略研究機関 ※ダウンロードできます。

【変化する気候下での海洋・雪氷圏に関するIPCC 特別報告書】 

最後に

今年(2019年~2020年)の暖冬を皮切りに、これまで私たちが当たり前だと思っていた気温や、その気温をベースに築かれてきた食料、衣服、生産、サービスなどの文化や経済活動は、今後根本的に変わってしまうのかもしれません。

少しでも変化をゆっくりにするためには、温室効果ガスの排出につながる活動を、排出しない活動に切り替えることが不可欠です。

経済活動を続けられない災害や被害にあう前に、私たちのライフスタイルや経済活動を変えられるかが、試されています。

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