今回は知っているようで知らないエアコンの歴史をご紹介します。
世界のエアコンの歴史(フロンの開発とエアコンができるまで)
年 | 出来事 |
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1758年 | アメリカのベンジャミン・フランクリンとジョン・ハドリーが、蒸発の原理(蒸発熱)を使って物体を急速に冷却する実験を行う。エーテルを使うと物体を氷点下にまで冷却できることを発見する。 |
1820年 | イギリスのマイケル・ファラデーが、圧縮により液化したアンモニアを気化すると、周囲の空気を冷却できるということを発見する。 |
1851年 | アメリカのジョン・ゴリーが、製氷機の特許を取得する。 |
1902年 | アメリカのウィリス・キャリアが、最初の電気式エア・コンディショナーを発明する。 |
1906年 | アメリカのスチュアート・W・クラマーが、出願した特許で初めて「エア・コンディショニング(空気調和)」という言葉を使う。初期のエア・コンディショナーや冷蔵庫は、アンモニア、クロロメタン、プロパンといった有毒または可燃性のガスを使用しており、それらが漏れ出すと死亡事故に繋がる危険性があった。 |
1928年 | アメリカのトマス・ミジリーが、世界初のフロン類であるフレオンを開発する。後になって、この冷媒は人間には安全だが、大気のオゾン層にとって有害だということがわかる。この後、近年もオゾン層に影響しない代替フロンの開発が進んでいる。 |
参考元:https://ecokaden.exblog.jp/22088175/
日本のエアコンの歴史(エアコンが普及するまで)
年 | 出来事 |
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1934年 | 大阪金属工業が性能的にも輸入品を上回る日本初の冷凍機「ミフジレーター」の試作第1号機完成。 |
1935年 | 東京電気がアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社製のルームクーラを輸入販売。 |
1936年 | 電車冷房開始 |
1951年 | 日本で最初のパッケージ型空調機ができる。セントラル方式に比べ、ボタン一つで操作ができ、簡単になる。 |
1959年 | セパレート型(室内機と室外機が分かれている)が発売される。 |
1960年 | ヒートポンプ式(冷媒ガスの流れを切り替え、冷房・暖房ができる)が発売される。 |
1981年 | インバータ(圧縮機の回転数を自在に変えられる)エアコンが発売される。 |
1985年 | GHP(ガスヒートポンプ)エアコンが登場する。 |
1990以降年 | 室外機が小型化され、新冷媒 R410A を使用したエアコンが発売される。空気清浄機の役目をするもの、酸素が出てくるもの、自動でフィルター清掃をするものなど、どんどん便利なものができている。 |
参考元:http://www.kdb.or.jp/syowaeacon.html
最後に
世界で最初にエアコンが発明されてから117年、今では省エネ性能が向上したり、ノンフロン冷媒が誕生したり、冷房可能温度が上がったりと、ますます機能的になり、ライフインフラに近い存在になっています。
気候危機が深刻化し、寒波や熱波が多発する世界において、エアコンは重要な役割を果たしていくでしょう。一方で、省エネ性能は高くなっているとはいえ、エネルギー消費量は多いため、エアコンの普及はますます気候危機を悪化させる要因になりかねません。
【エネルギーの化石燃料からの脱却】が、エアコンの普及や世界の気候危機を回避するうえでも重要となっています。