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持続可能な脱炭素経済に向けて F20ハイレベルフォーラムに参加

エコトピック
脱炭素関連
パイプデザイン変更で大幅な節電

2019年6月13日 東京都内でF20と自然エネルギー財団が主催したフォーラム「F20 ハイレベルフォーラム 持続可能な脱炭素経済に向けて」に参加しました。

■ F20 とは
F20 (Foundations Platform F20) は、世界各地の慈善事業財団、財団法人を中心メンバーとした組織で、持続可能な開発の実現に向けて国境を越えた協力を呼びかけています。気候変動の危機を回避し、自然エネルギーを基盤とする持続可能な開発に基づく公正な移行のために、緊急性の高い課題に対する解決の道筋を示しています。

F20は、G20諸国を含めた国内外の民間団体、経済界、金融界、シンクタンク、そして政府との架け橋を築くことを目指して活動しています。F20はドイツに事務局を置き、世界各地の56団体が参加しています(2019年5月現在)。

出典:自然エネルギー財団 F20ハイレベルフォーラム 持続可能な脱炭素経済に向けて

■ 自然エネルギー財団とは

1、今ある技術で化石燃料からの脱却は可能

プログラムの中で、ロッキーマウンテン研究所の名誉会長・チーフサイエンティストであり、自然エネルギー財団の理事であるエイモリ―・B・ロビンス氏(2009年 『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に、『フォーリンポリシー』誌の「世界の頭脳100」に選ばれた方)の公演がありました。PDF資料はこちら

冬場、ご自身の自宅で100%再生可能エネルギーによる室内バナナの栽培の事例を始め、多くの実例とデータを用いて、ユーモアも交えながら建物、車、電力の化石燃料からの脱却が、今ある技術とデザインだけで可能なことを紹介してくださいました。下の写真は、パイプとダクトの摩擦を80~90%削減できたデザインについての紹介です。

パイプデザイン変更で大幅な節電

出典:F20 ハイレベルフォーラム エイモリー・B・ロビンス氏 講演資料より抜粋

2、パネラーの最も大事なことは

午後のセッション2では、活発な議論が行われ、最後に進行役のステファン・シュリング氏がパネリストに「一番大切な事を一つ上げるとしたら何ですか?」と質問されていました。(時間の関係で1人10秒)

田中 伸男氏(笹川平和財団 会長)
「マーケットの大きさと接続されていること、コネクティビティ」

アンナ・ライトライタ氏(世界未来協議会 気候エネルギー部門ディレクター)
「今まで声を上げていなかった人が声を上げ、大事なポジションにつくこと」

大野 輝之氏(自然エネルギー財団 常務理事)
公正な競争環境ができれば自然エネルギーは必ず勝つ」

ドルフ・ギーレン氏(国際再生可能エネルギー機関 センター長)
「フェイクニュースに気を付ける事」

ヘンク・ロジャース氏(ブループラネット財団 創始者 会長)
「パイオニアにご褒美」

3、PRI CEOがG20に求めたこと

セッション3ではPRIのCEO フィオナ・レイノルズ氏が講演され、G20に向けて下記の要求をしていると紹介していました。
PDF資料はこちら

  • NDCs strengthened by 2020
  • Phase-out of fossil fuel subsidies
  • Phase-out of thermal coal power
  • Carbon pricing
  • TCFD implementation
  • Just transition

【和訳】

  • 2020年までに強化されたNDCs
  • 化石燃料補助金の段階的廃止
  • 石炭火力発電の段階的廃止
  • カーボン価格
  • TCFDの実装
  • 単なる移行   

NDCsとは

協定第4条に基づく自国が決定するGHG削減目標と、目標達成の為の緩和努力のことを指します。
これは締約国がパリ協定批准前に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局へ提出した「各国が自主的に決定する約束草案」(Intended Nationally Determined Contribution:INDC)が原案となっており、パリ協定批准により正式にNDCとして国連に登録され、各国に対して実施が求められています。

4、最後に

地球

今回のフォーラムに参加し、化石燃料から脱却し、自然エネルギーで社会を発展させることは、今ある技術やアイディアを活かすことで十分可能であること、そして直ちに行動や変化をしていく必要性があることを再認識しました。
また、電力需要側からの要請や選択次第で、たとえ国が消極的でも、社会を変えていける可能性を見出すことができました。弊社もこうした動きに寄与できる取り組みを進めてまいります。

出典:自然エネルギー財団 F20ハイレベルフォーラム 持続可能な脱炭素経済に向けて

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