10月9日、企業の環境関連情報を開示する「CDP」の回答が締め切られました。
弊社エコ・プランでも、3年目となるCDPの自主回答を行い、提出しました。
各社のスコアが発表されるのはまだ先ですが、弊社では一足先に自己採点を行い、スコアも出してみました。
そこで今回は、自己採点の過程で学んだスコアのつけ方や解釈のしかたをお届けします!
なお、今回は、分かりやすさのために簡潔にご紹介します。詳細について知りたい方はCDPのホームページより、「コーポレート完全版質問書 スコアリングイントロダクション(日本語版)」をご覧ください。
スコアに直接関わる!4つの採点項目
CDPに回答すると、CDPより「A、A-、B、B-、C、C-、D、D-」の8段階でスコアが送られてきます。
このスコアは、4つの採点項目の得点率により、明確に基準が決まっています。
その4つの採点項目とは、「開示」「認識」「マネジメント」「リーダーシップ」。4つの項目は、以下の観点で採点されるイメージです。
開示:内容がどうであれ、情報が記入されているときに加点されます。
認識:企業が環境問題のリスク・課題・チャンス等を正しく把握しているときに加点されます。
マネジメント:企業が環境問題の対策に乗り出しているときに加点されます。
リーダーシップ:戦略面、行動面について、他の企業よりも優れている、先進的な取り組みを行っているときに加点されます。
※エコ・プランの解釈であり、公式の定義とは異なります。ご了承ください
一番上の「開示項目」は、最も基本的な情報開示に関する項目。そこからリーダーシップ項目に向かって、徐々に高度な取り組みが求められていくことになります。
スコアのつけ方
回答する企業の業態、規模、回答した内容等によって、企業ごとに獲得できる最大点数は異なります。全ての企業を公平に判断するために、ランク付けには4つの採点項目の得点率を使います。
得点率は(自社の合計得点)/(自社が得られる最大点数)で計算します。
4つの採点項目を算出したら、ランクをつけていきます。
ランクは、以下の図のようにつけていきます。
CDPスコアリングイントロダクションを基にエコ・プラン作成
ご覧のように、開示項目の得点率が49%までの場合はD-ランク、50%から79%の間ならDランク。80%を超えたらC-以上が確定します。
この後は、認識項目が44%までならC-ランク、45%と79%の間ならCランク……と続いていきます。
なお、表の数値は公式のものをそのまま記載したものです。小数点以下の扱いや0%の場合については記載がなく、どう扱うか分かりませんでした。ご了承ください。
さて、ここでただの英字だったスコアから様々な解釈をしてみました。
スコアの解釈を読み解く
例えば評価がCランクだった場合、一番の基礎の部分である開示項目に関しては基準(80%)を超えているものの、認識項目が80%に達していないことになります。
認識項目は「企業が環境問題のリスク・課題・チャンス等を正しく把握している」ときに加算されるものでした。そのため、認識項目が十分でないCランクというのは、現状の把握が十分でない、と解釈しました。
エコ・プランのCDPの自己採点はBランク。この状態ではマネジメント項目を上げなければ次のA-には到達できません。マネジメント項目は「企業が環境問題の対策に乗り出している」ときに加点されるので、基本的な環境対策行動から始めていくのがよいと考えることができます。
このように、AからD-までの8段階の情報だけでも、企業の課題や次に取り組むべきことがなんとなく分かってくるのです。
各評価の解釈
D、D-ランク : 開示項目の得点が足りないため、社内の環境関連情報を収集できる体制づくりがまず重要になります。
C、C-ランク : 認識項目の得点が不足しているため、現状の把握や環境管理体制の構築を行うことが重要です。
B、B-ランク : マネジメント項目が足りません。環境問題に対する実際のアクションを行うことで評価も上がります。
A-ランク : リーダーシップ項目が80%に達していません。他の一般的な企業よりも進んだ環境対策を行っていますが、Aランクに到達するには更なる先進的な取り組みが必要です。
※エコ・プランの解釈であり、公式の定義とは異なります。ご了承ください
最後に
今回は、CDPのランク付けの解釈のしかたを、採点方法から読み解きました。
今まで「なんとなく」「取引先に言われて」回答していた方、スコアが上がらなくて悩んでいた方も、どうやってスコアが付けられるのかが分かれば今後の道筋が見えてくると思います。
脱炭素社会に向けて、社会は年々変化していきます。環境情報開示のスタンダードとして、ぜひCDPを最大限活用してみてください。
次回は、実際の自己採点のやり方について解説します。