エアコンは、機器に不具合や異常が発生すると運転が停止したり、エラーコードが表示されたりします。(確定ボタンを押す指示が表示され、エラーコードが出る場合もあります)
エラーコードが出ると、メーカーのホームページやネット検索などして、何のエラーかを確認することもあると思いますが、よく発生するエラーコードを知っておくことで、無駄のない迅速な対応につながることがあります。
では、各メーカーにあるエラーコードのうち、よく発生するのは何のエラーなのでしょうか。
2022年度、9000件以上の修理対応をした弊社で、創業当初から毎年膨大な数の修理を第一線で経験してきたエンジニアに聞きました。
よくある 業務用エアコン エラーコード
1、A3エラー(ダイキン)
堂々のダントツ 第1位は、ダイキンのA3エラーです。A3エラーはドレン異常、詰まり、主に排水不良のエラーです。メーカーに関わらず修理依頼が最も多いのは、このドレン異常のエラーです。
【ドレン異常 エラー】
冷房運転中に、熱交換器の結露水を受け止めるドレンパンという受け皿の中の水位が上昇すると、水位によりON/OFFが切り替わるフロートスイッチが作動し、エアコンが停止してしまいます。
【主な原因】
- ドレンパン内に汚れが溜まり、排水が出来ていない。
- ドレンパン内の水を排水するためのドレンポンプが不具合を起こしている。
- フロートスイッチが不具合を起こしている。
- ドレン排水管が詰まっている。
- 基板の不具合
※写真はエラーが表示される場所のイメージです。表示されているエラー内容は文章内容とは異なります。
国内に設置されている業務用エアコンは、ダイキン製が多いため、修理依頼もダイキン製が多い結果となっています。三菱電機ではP5エラーや2502エラー、日立では01エラー、三菱重工ではE9エラーがドレン異常のエラーなので、ダイキンのA3エラーとともに、最も対応件数が多いエラーとなっています。
これらのエラーが発生した場合の応急処置として、【水抜き】という方法があります。
すべての機種に対応できる方法ではありませんが、水抜きが簡単にできる機種の場合、一時的に水漏れが解消する可能性があるので、お試しください。
詳しい方法はこちらをご覧ください。
水漏れの根本的な原因は熱交換器の汚れやドレンポンプの劣化等、様々な可能性があるため、一時的に水漏れが解消しても、修理業者に早めに対応をご依頼ください。
2、U4エラー(ダイキン)
A3エラーに続き多いのがダイキンのU4エラーです。室内機と室外機の通信異常によりエアコンが停止してしまうエラーです。
原因は様々あり、室外機や室内機の基板に不具合が生じていたり、配線がネズミにかじられるなど、何らかの影響で接触不良を起こしていたり、圧縮機の漏電で室外機のブレーカーが落ちたりすることで起こります。
※エアコン工事や修理で天井裏を覗くとネズミの糞や死骸を見つける事はよくあります。
U4エラーが起きたら、ブレーカーリセット(エアコン専用のブレーカーを1分程度落とした後、また戻す事)をすると復旧する可能性があります。ブレーカーを落とせない場合は電源を抜いて1分程度してからまた差し込んでみてください。
復旧したとしても、根本的な原因を取り除けたわけではないので、修理業者に依頼することをおすすめします。
※三菱電機ではE8,E9エラー、日立では03エラーが室内外通信異常のエラーとなっています。
※室内外通信異常以外もこれらのエラーに含まれる場合があります。
【重要】
ブレーカーや電源が落ちるとエラー表示が消え、再表示されないことがあるので、メモなどして控えておき、修理対応業者に伝えられるようにしておくと、修理訪問回数を減らし、費用を抑えることにつながる場合があります。
※修理対応に行っても、エラーが再発せず、対応ができないことが多くあります。
3、U0エラー(ダイキン)
2位のU4エラーと同じくらい多いのがU0エラーです。これは冷媒ガスが不足することで起こります。熱交換器や配管からガスが漏れている場合や、そのほか様々な要因で冷媒内のガスが不足することでU0エラーが発生します。
※三菱電機ではU2エラー、日立は08エラーが冷媒ガス不足のエラーとなっています。※冷媒ガス不足以外の原因の場合もあります。
こちらもU4エラー同様、一時的な対応としてブレーカーや電源を一度切り、1分程度したのちまた入れなおすことで復旧することがあります。復旧したとしても、根本的な原因を取り除けたわけではないので、修理業者に依頼することをおすすめします。
【修理業者に型式を聞かれたら】
修理業者にエラーコードを伝えた際、型式を聞かれる場合があります。エアコンのパネルを開けると、型式などが記載されたシールが貼ってあるので、写真を撮っておくとその後の対応がスムーズです。
今と昔ではよくあるエラーコードが違う?!
最近のエアコンはインバーター機能が付いているものが多く、昔よくあった【ダイキンのE3エラー】は件数が減ってきています。このE3エラーは、高圧カットとよばれ、室外機のゴミや汚れ詰まり、室外機の近くに荷物や壁があり、十分な排熱ができない場合におきます。
このエラーが減ってきた理由は、エアコン自体の能力が向上し、十分な給排気ができない状態になると、エラーを出す前にエアコン自ら出力を制御します。しかしその影響で、エアコンが能力を自動制御してしまうので【冷えない/温まらない】という修理依頼が増えています。
エアコンが冷えない!温まらない!とき、自分でできる対応
エアコンが効かない(冷えない、温まらない)場合、原因は様々あるのですが、自分で対応できる場合もあります。下記に当てはまる場合は対応してみてください。
①室外機の吸込口から十分な外気を取り込めていない
室外機の吸込口にゴミや落ち葉が詰まっていたり、荷物が近くにおいてあり、十分な外気を取り込むことができていなかったりすると、エアコンの効きが悪くなり、故障の原因にもなります。
→ゴミや落ち葉を取り除いたり、荷物を移動させたりすることで、エアコンが効きやすくなり、故障も防ぎます。
②室外機が暑くなりすぎている
→簡易的に日陰にしたり、水をかけて室外機を冷やしたりすることで解消する場合があります。
最後に
エアコンのエラー発生の原因は様々ですが、自分で解消できるものがあることを知っているだけで、適切な対応ができる可能性が高まります。毎年どんどん暑くなっていく夏は、エアコンの不具合発生数も増え、エアコン修理業者の対応が追い付かない可能性が高くなります。
「今すぐ何とかしたい」、という状況の時、少しでもお役に立つことができれば嬉しい限りです。
※不具合が度々起こる場合は、エアコン工事もご検討ください。