長年使っていた業務用エアコンの入れ替え工事の際に、冷媒配管も併せて交換することがあります。冷媒配管も含めて交換すると費用が高くなったり、作業工程が複雑になったりするので、敬遠されるお客様もいらっしゃると思いますが、今回はその必要性について説明いたします。
1、老朽化
冷媒配管は銅でできています。空調機の温度調節により、温度変化を繰り返すことで細かなひび割れを生じることがあります。
このように老朽化した冷媒配管をそのまま使用し続けることで、冷媒ガスが漏れてしまう可能性がある場合、エアコンだけでなく冷媒配管の交換を行うことがあります。
2、配管サイズの違い
エアコンには2種類の冷媒配管(液管・ガス管)がついており、古いエアコンから新しいエアコンに入れ替える際にサイズが合わないことがあります。その際は冷媒配管の交換が必要になります。
配管のサイズは2分管(外径6.35mm)、3分管(外径9.52mm)、4分管(外径12.70mm)、5分管(外径15.88mm)、6分管(外径19.05mm)、7分管(外径22.22mm)、インチ管(外径25.40mm)(8分管からはインチ管と名称が変わります。)、インチ1分管(28.58mm)、…となっていきます。
エアコンの能力が大きい程、冷媒配管も大きい物が必要になってきます。
3、最後に
エアコンの冷媒配管は銅で出来ているため、配管を新しくすると入れ替え作業費が高くなります。
配管サイズが異なる場合は必要になってしまいますが、問題なく使用できる場合は古い冷媒配管でもお客様のご要望がない限り特に交換しておりません。
しかし、老朽化している冷媒配管の交換を検討することも大変重要です。業務用エアコンの管理者はフロン排出抑制法により義務付けられていることが5つあり、フロンガスの漏洩に対しては罰則も設けられています。
詳細は以下のエコトピックを参照いただければと思いますが、エアコン工事を検討されている方はぜひ冷媒配管の交換についてもご検討いただければ幸いです。
冷媒配管交換
冷媒配管交換の際は、エアコンにあった冷媒配管を天井裏などに通した後、配管同士を溶接し接合していきます。最後に、配管を下図の写真のラッパのような形(フレア)に加工してエアコンに繋げます。配管が繋がることで初めて、室外機と室内機が繋がります。
【参照:エコトピック】
◆「フロン類漏洩量公表 8万トン-CO₂ 前年より増加!」
◆「業務用エアコンに点検義務があるってご存知ですか?」
◆【エアコン工事解説!】ブレーカー交換とクレーン作業
◆【エアコン工事解説!】ポンプダウン、気密検査、真空乾燥
◆ エアコン工事前の確認 7ポイント
by ESC事業部 テクニカルサポートグループ CS2課 木村