照明器具をLEDに切り替えると大幅な消費電力削減につながります。補助金申請でもLED切替案件は多く、オフィス、店舗、工場、大型商業施設や公共施設など、さまざまな場所で切替が進んでいます。そんな中忘れがちなのが、誘導灯や非常灯のLEDへの切替です。
1、誘導灯、非常灯ってなに?
誘導灯とは
有事の際、避難口や避難方向をわかりやすく示すための照明設備です。
通常は常用電源で点灯しており、火災時や断線、停電などの非常時に、自動的に非常電源へ切替わり、暗闇でも使用できるようになっています。
「消防法施行令第26条」と各地方自治体の火災予防条例等により、人が多く集まる場所に設置義務があります。
非常灯とは
火災などによる停電時、消防隊の救助作業が行えるように建築基準法で設置が義務づけられている防災照明器具です。
※劇場・病院・ホテル・博物館・百貨店などの特殊建築物、階数が3階以上で延床面積が500平方メートルを超える建築物、延床面積が1,000平方メートルを超える建築物や無窓の居室を有する建築物で設置が義務づけられています。
【単体型】
蓄電池を内蔵しており、通常時に充電し、停電時のみ自動で点灯する。
【一体型】
通常は通常電源で照明として利用され、停電時に蓄電池の電源で点灯する。
2、交換時期の目安
10年を過ぎた誘導灯器具は外観だけでは判断できないほどに劣化が進んでいます。安全性の面からも早めの交換が必要です。
・誘導灯表示板の寿命
表示板は設置時と比較すると表示面が汚れて視認性が低下することがあります。また、表示板は使用中に変色して劣化することがあります。そのような誘導灯表示板は交換をおすすめします。
・誘導灯・非常灯の蓄電池の寿命
交換の目安は4~6年です。点検時に規定の時間、非常点灯しないバッテリーは早めに交換しましょう。
3、最後に
誘導灯と非常灯は停電・地震などの災害時に活躍する照明機器です。日頃気づきにくいかも知れませんが、劣化や不具合(点灯しない)などの問題をかかえているものもあるかもしれません。 定期的な点検をするとともに、不具合のあるものは積極的にLEDへ交換し、安全面の確保と同時に節電にもつなげていきましょう。
by ESC事業部 テクニカルサポートグループ EM課 池田