業務用エアコンに加湿器がついているタイプがあります。秋~冬の時期は風邪やインフルエンザが流行するため、加湿器の役割は重要です。しかし、その加湿器にメンテナンスが必要であることはあまり知られていません。
エアコンのメンテナンスはしていても加湿器がついていることを知らず、今まで全くメンテナンスしていない方も多いのではないでしょうか。実は加湿器内部には汚れが蓄積しており、衛生面・機能面においてもメンテナンスをすることが非常に重要です。
ご使用のエアコンに加湿器はついてますか?
お使いのエアコンに加湿器が付いているか確認が必要です。特にオフィスで使用している業務用エアコンをお使いの方は、見た目ではわからないので取扱説明書を確認してみたり、会社の担当者に確認したりする必要があります。家庭用エアコンは取扱説明書を確認してみてください。
加湿器の加湿方式は4つあります。
1、スチーム加湿器・・・・水を加熱して蒸気で加湿
2、気化式加湿器・・・・・水を含んだフィルターに風を当てて蒸発させ、加湿
3、ハイブリット加湿器・・水を含んだフィルターに熱風をあてる(スチーム+気化式)
4、超音波式加湿器・・・・水を超音波振動で微細粒子にして空中に放出
加湿器のメンテナンスはしていますか?
業務用エアコンの加湿器は一般的に気化式が多いです。気化式は加湿モジュールを湿らせて、それを気化するという方法をとりますが、その方法では、使用している間にどうしても加湿モジュールが汚れてしまいます。
加湿器の構造で、ファンや加湿モジュールはどうしてもカビてしまうので、衛生的によくありません。普段は目で見ることができない個所なので実際に汚れているかは専門の知識がある人が加湿器を分解して見てみないとわかりません。
一度お使いの加湿器をプロの目で確認してもらうことが大切になります。 ※一般的に通常のエアコン清掃(オーバーホール)では加湿器の清掃まで行っていません。(弊社では加湿器清掃も取り扱っています。ご依頼時にお申し付けください。)
加湿器のメンテナンスって何をするの?
加湿器のメンテナンスは、分解してから清掃をします。加湿器の主なメンテナンス部品としては、一般的に「フィルター」「ドレンパン」「加湿モジュール」「給水ストレーナ」「給水ヘッダ」「ドレンポンプ」「フロートスイッチ」があります。これらを専門の道具を使用して分解します。どの部品も繊細なものですので、専門の知識が必要になります。
加湿器内部の清掃とは?
「フィルター」「ドレンパン」「給水ストレーナ」「ドレンポンプ」「フロートスイッチ」は水洗い、もしくは拭き清掃にて清掃を実施していきます。「給水ヘッダ」は専門の道具を使用し、水の通りをよくする処置を行います。
「加湿モジュール」に関しては、モジュールの状態を確認し、洗浄または交換を実施していきます。 よく加湿器から異臭がするというお話しを頂きますが、その原因として多いのが、このモジュール部分の汚れです。そのため、汚れ状況や使用年数に応じて、適切な処置が必要になります。
洗浄の際は専用の溶剤を使用して洗っていきます。一般的に加湿器の汚れはアルカリ性であるため、酸性の溶剤を使用して洗浄していきます。また、加湿器の状態や使用年数に応じて、交換を提案いたします。
フラッシングと滴下試験とは?
フラッシングとは「配管内蒸留水除去」のことで、配管内に溜まっている古い水を除去する作業です。この作業をせずに加湿器を使用してしまうと、異臭や空気環境の悪化に繋がってしまうため、非常に重要な作業です。
最後に、滴下試験を行います。これは、給水ヘッダから適切な量の水が出てきているかを確認する作業です。
最後に
寒さもひと段落し、暖かい日も増え、これからエアコンを使わない日が増えていくと思います。冬場に使った加湿器のお掃除は、早めにしないと気温上昇とともにカビが増殖し、汚れやにおいが悪化してしまいます。今の時期に、夏に向けてのメンテナンスとして、OHと加湿機洗浄をお勧めいたします。
また、OHや加湿機洗浄後の際、部品の劣化や何だかの不具合を発見することがあります。部品交換などで済む場合もありますが、古いエアコンの場合など入れ替えた方がよいこともあります。暑くなる前に修理やエアコン工事を実施し、夏の暑さに備えましょう。
ESC事業部 テクニカルサポートグループ CK課 田中/岩崎