業務用エアコン 1台の分解洗浄で、どれくらいの水を使用しているのでしょうか。
近年、温室効果ガスの排出量だけでなく、水や森林への影響も数値化し、評価に反映させていこうとする動きが広がっています。
弊社は2022年度、54,000台以上の業務用空調機の洗浄を実施しました。
業務用エアコン1台の分解洗浄で、どれくらい”水”を使うのか、推定してみました。
どうやって推定したの?
業務用エアコン1台の分解洗浄で使う水を、どうすれば出せるのか、検討することから始めました。
業務用エアコンの洗浄作業の時に、毎現場の水使用量を計測しているわけではないので、実際の水の使用量はわかりません。
ただ、様々な施設、業態の沢山の業務用エアコンを洗浄している社員に話を聞くと、大まかな水の量を把握していました。
そこで、60名近くいる弊社の業務用エアコン洗浄社員の中でも、経験年数や洗浄台数が多い方に、施設、業態別の業務用エアコン1台の洗浄に使う水の量をヒアリング調査しました!
ヒアリング調査結果と、2022年度の室内機洗浄台数、現場数(お客様先で洗浄した回数)を活用し、業務用エアコン1台あたりの水の使用量を推定してみました。
業務用エアコン1台の分解洗浄で使う水の量!(施設・業態別)
施設や業態の区別なく、全体を平均すると、業務用エアコンの1台当たりの洗浄に使用する水の量は、約45L と推定されました。
各施設、業態の特徴
◆パチンコ店やカフェについては、禁煙になったケースが多い為、禁煙の前提での数値です。喫煙の場合は、洗浄水の量は増えます。
◆印刷工場は、インクや塗料の汚れが落ちにくく、水量が増えます。
◆美容院は、整髪剤の汚れがひどい場合、水量が増えます。
◆スーパーは、入口やレジ近くは汚れがひどく、店内の場所により水量が変わります。
◆食品工場は、粉ものや油が近い場合、水量が増えます。
最後に
今回推定した、業務用エアコン1台当たりの分解洗浄に使用する水の量を45Lとした場合、弊社が2022年度に洗浄した業務用エアコンの台数(約54,000台)から、年間で243万リットルの水を、業務用エアコンの分解洗浄で使用していることになります。
25mプールの水の量を2万5千リットルとした場合、25mプール97.2杯分の水の量になります。
業務用エアコンを分解洗浄した廃水は、お客様の排水設備を経由し、処理されるため、これまで廃水の量を把握する発想はありませんでした。
改めて数値を出してみて、この事業に、それだけの水を使っていることを認識することができました。
また、今回、温室効果ガスの排出量だけでなく、水や森林への影響も数値化する動きがある中で、弊社の主要なサービスの一つである業務用分解洗浄の【水】の使用量に焦点を当て、その使用量を推定してみました。
実際に計測していなくても、大まかな量を推定することができました。
この記事が、TNFDやCDPの回答といった情報開示で、水の使用について、数値化することが要求されている、もしくは要求される可能性がある企業様の、状況把握の参考になれば幸いです。