企業の気候変動の取り組みが進み、CDPを通じた気候変動対策の情報開示や、SBT認定による温室効果ガス削減目標の設定をする企業が増加しています。
これらの取り組みを通して、企業が燃料使用量やエネルギー使用量を把握し、公開する機会が増えました。
そうなった時、「省エネ法や温対法の対象企業ではない」と思っていた企業が、「実は対象なのではないか?」といった気づきにつながるケースが出てきました。
省エネ法の対象企業にも関わらず、国に報告していなかった、法律を守っていなかった、ということになった場合、気候変動の取り組みで企業価値を創る以前の問題となり、企業の信用を喪失することにつながります。
今回は、「うちの会社は、省エネ法の対象企業なのか?」という部分について、確認するための方法をご紹介します。
※温対法については、CO₂以外の温室効果ガス(メタン、一酸化二窒素、フルオロカーボン、フッ素化合物、六フッ化硫黄、三フッ化窒素)の排出の可能性がある場合にご確認ください。
- 環境省 温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度とは?
このコンテンツでは、省エネ法について記載させていただきます。
目次
御社も対象の可能性あり!?省エネ法対象かどうかは自己申告です。
省エネ法は、1979年の石油危機の際に、エネルギーを合理的に使っていくために作られた法律です。今では、気候変動対策としてCO₂の排出量把握と削減という役割も担うようになりました。
この法律の対象企業かどうか、を判断するうえで、まず確認が必要なのは、【事業者全体のエネルギー使用量(原油換算値)が1,500kℓ/年度以上あるか】を確認することです。
省エネ法は工場や大企業が対象という印象がありますが、例えば、年間の電気代で8000万~1億程度支払っている場合、あらゆる企業が対象になる可能性があります。
法律についての一番適切な情報は下記に掲載されていますのでご参照ください。
原油換算1500klかわからない。ヘルプデスク&簡易検査票で確認!
簡易点検表で確認してみよう!
燃料や電気使用量から、簡易的に原油換算できる【エネルギー消費量(原油換算値)簡易計算表】が公開されています。
御社の使用している燃料や電気使用量の情報を集計いただき
数値を入力することで、原油換算の目安が把握できます。
電気は 千kWh なので合計値を1000で割った数値が、ガスは 都市ガス と LPG 共に単位がtですが、明細は㎥なので一度換算が必要になります。単位を間違えぬよう、お気を付けください。
上記表の掲載場所は、
- 資源エネルギー庁 工場・事業場の省エネ法規制
のページ内の下記図にあります。
頼れる!ヘルプデスク
【エネルギー消費量(原油換算値)簡易計算表】で1500kLを超えてしまった、または含める範囲によっては超える、といった場合は、本当に省エネ法の対象企業なのか、確認する上でも、経産省のヘルプデスクに電話して、状況を説明したうえで、ご相談いただくのが、確実です。
もし、つながらない場合は、ページの一番下のお問合せ番号にかけてみてください。
丁寧に教えてくれます。
最後に ~省エネ法の報告書のサポート、やってます。~
省エネ法の対象企業になっていた場合、定期的に報告書の提出が必要になります。弊社でも報告書提出のサポートをしておりますので、下記フォームよりお気軽にご相談ください。
省エネ法で提出した報告書データは、CDPやSBTなどに使用するSCOPE1,2のデータとして活用することができます。気候変動対策と合わせて、省エネ法の法律順守のご確認をお勧めいたします。