CDPの質問書対象企業が拡大する中、2022年7/27の回答期限に向け、各社で対応が始まっています。このCDPの質問書ですが、回答には3パターンございます。
① 主に機関投資家からの要請を受け、CDPが対象企業に質問書を送付
② CDP質問書回答企業の要請を受け、CDPからサプライヤーに質問書を送付(サプライチェーンプログラム)
③ 自主的にCDPの質問書に回答
弊社は質問書回答企業ではないのですが、SBTやTCFDへの理解を深めるためにも、【自主回答】に挑戦しています。
今回は、③の自主的にCDPの質問書に回答する【自主回答】について、どうやれば、回答に参加できるのか、弊社と同じように「やってみたい」企業様の参考になれば、と思い、解説致します。
- CDPについてはこちらをご覧ください。
目次
CDP質問書 【自主回答】って何?
CDPの質問書は、基本的に、【送られてくるもの】ですが、自ら回答することもできます。それが 【自主回答】です。簡易版と完全版があります。お勧めは完全版です。
※簡易版は条件を満たせば回答することができますが、セクター別質問は含まれておらず、簡易版スコアリング基準で採点され、通常のスコアリング対象とはなりません。
簡易版条件
1) 初めて回答する企業
2) 年間売上が2.5億ドルに満たない企業
料金については下記をご確認ください。
https://www.cdp.net/en/info/admin-fee-faq
【自主回答】 申し込みの流れ
- ①所定の申し込みフォームに記入
- ②CDPに申し込みフォームを送信
- ③CDPのユーザー登録(無料)
- ④回答システムオープン後(4月中旬)回答開始
- ⑤回答システム内の【請求書発行ボタン】で請求書発行
- ⑥回答システムから回答を送信(2022年7月27日期限)
- ⑦支払い(提出から90日以内、もしくは9/30の早い方)
- ⑧スコアリング結果報告、CDPレポート掲載(12月)
①② 【自主回答】 申し込みフォームと送信について
CDP【自主回答】は、申し込みフォームに必要事項を記入し、所定のフォームに添付して申し込みをします。申し込みをすると、自動返信メールが届きます。詳しくは本記事後半をご欄ください。
※国内のCDP関連の対応はCDP Japanが基本的にしてくれますが、【自主回答】の申し込みはイギリスの本部と直接やりとりする形になります。
※質問などはCDP Japanも対応してくれます。
③CDPのユーザー登録について
【自主回答】も通常の回答と同様、CDPの質問書回答システムにサインインして回答を進め、提出します。そのためには、事前にユーザー登録しておく必要があります。無料で簡単に登録ができます。
◆CDP ユーザー登録はこちら➤https://www.cdp.net/ja/users/sign_in
④ 回答システムオープン後(4月中旬)回答開始
回答システムは、毎年更新されたものが3月下旬から4月中旬にオープンします。(自主回答は4月中旬)
申し込みした後、CDP側で回答できるようにシステムの設定をしてくれるので、準備ができたら、連絡が来ます。(来ない場合はCDP Japanにメールしてみてください)
⑤⑦ 回答システム内の【請求書発行ボタン】で請求書発行
支払いは回答システム内にある【請求書発行ボタン】から請求書を発行し、提出から90日以内、もしくは9/30の早い方で支払いをします。
⑥ 回答システムから回答を送信(2022年7月27日期限)
回答システム内の送信ボタンで、回答を提出します。2022年は7/27が回答期限です。
⑧ スコアリング結果報告、CDPレポート掲載(12月)
12月ごろ、スコアリング結果の連絡があり、CDP年次レポートに結果が掲載され、公開される予定です。CDP公式ウェブサイトでも公開を許可していれば、回答内容がそのまま公開されることになります。(他社の質問書回答の閲覧は1ユーザーあたり20回まで可能)
CDP【自主回答】の申し込みフォームがある場所は?
下記リンクの赤線部分(下図)をクリックします。
https://casemgmt-crm.cdp.net/en-us/knowledgebase/article/KA-01020
CDP【自主回答 】申し込みフォームってどんな内容?
クリックしたら【自主回答】の申し込みフォームが開くので、PDFをWordに変換して、英語で記入し、PDFにします。
下記は弊社が申し込みをした際の内容です。参考にしてください。
どこに【自主回答】申し込みフォームを添付して送るの?
下記リンクのお問合せフォームに、必要事項を入力し、【自主回答】申し込みフォームを添付し、送信します。
https://casemgmt-crm.cdp.net/ja-JP/open-new-case/
自動返信メールが届きます。CDP側で回答システムに登録してくれるので、連絡を待ちます。弊社の場合、4月中旬に連絡が来ると言われていましたが、来なかったので、CDP Japanに連絡してみたところ、連絡が来ました。
現在、回答内容を作成中です。
最後に
CDPの質問書回答はとても大変な作業で、回答要請を受けた企業が、株価や資金調達、企業価値を維持するために取り組む印象があります。
上場も株式公開もしていない中小企業が、費用と時間と労力をかけて回答する必要性は、客観的に見たら、ありません。
そんな中、挑戦してみて感じるのは、これまで行ってきたSBTやTCFDへの理解が深まっているということです。
また、一人の担当者では回答できない部分を、共同編集登録した弊社の執行役員とともに回答を進めることで、会社全体の変化につながっています。
CDPやSBT、TCFDの巧妙な仕組みと、企業に対しての影響力の大きさと、気候危機対策への貢献度の高さを実感します。