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TCFD義務化?!TCFDとシナリオ分析、SCOPEとの関係は?

エコトピック
脱炭素関連
TCFDとシナリオ分析 イメージ

東京証券取引所の一部上場企業は、TCFD提言に基づく気候変動リスクの情報開示を実質的に義務づけられることになりました。

また、金融庁は有価証券報告書を出す一般企業に、気候変動リスクの開示を義務付けるかどうか議論しています。

このように、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」は、標準化しつつあります。

(TCFDって何?と思った方はこちらをご覧ください。
気候危機のリスクを、企業価値に反映する手法【TCFD】とは?)

【TCFD】具体的に何をすればいいの?

具体的に何をどのように開示すればいいのでしょうか。その一つの答えを教えてくれるのが、環境省の【TCFD提言に沿った気候リスク・機会のシナリオ分析支援事業】です。この支援事業は、TCFDの中のシナリオ分析について、無料で支援してもらえます。

今年も公募され、弊社も申請してみました。今回は残念ながら採択とはなりませんでしたが、合同説明会に参加させてもらうことができました。合同説明会では【TCFDを活用した経営戦略立案のススメ】というガイドブックを紹介してもらいました。

支援は受けられませんでしたが、せっかくの機会なので、「自分たちでTCFDに取り組んでみよう!」ということになり、SCOPEやSBT(SME)認定に続き、TCFDにも挑戦することにしました。

環境省のガイドブック【TCFDを活用した経営戦略立案のススメ】を軸に、自社のTCFDに挑戦する中で、他の企業様にも役立つ情報を、いくつかの記事に分けてご紹介していきます。

TCFD全体像とシナリオ分析の位置づけ

TCFDが開示を要求しているのは、【ガバナンス】【戦略】【リスク管理】【指標と目標】に付随する下図の11項目です。

TCFD 全体とシナリオ位置づけ

シナリオ分析は、上図の赤枠部分に該当します。つまり11項目の中の1つの項目”【戦略】のC)2℃以下シナリオを含む様々な気候関連シナリオに基づく検討を踏まえ、組織の戦略のレジリエンスについて説明する ”の部分です。

◆シナリオ分析とは、簡単に言うと、将来に起こると想定されることについて、2つ以上の条件を設定し、その時起こりうることを分析して、自社の対策や戦略に活かすことです。

【よくある設定の例】:
地球の平均気温が2050年に4度上昇した場合と、2度に抑えられた場合の2つの設定

社内でシナリオ分析を作成する過程は、他のTCFDの開示要求項目の回答につながる要素があるため、TCFDにおいてシナリオ分析が重要視されています。

環境省の支援事業も、シナリオ分析に焦点を当てた支援となっており、TCFDに取り組む際は、シナリオ分析から挑戦することをお勧めいたします。

※自社のSCOPE1,2,3を把握できていると、自社の立ち位置がわかり、シナリオ分析の理解が深まるため、前提として把握しておくとよいと考えます。

上記の図は、TCFD開示項目の目次となる部分です。環境省のガイドブックの冒頭にも記載されており、各社の事例にも含まれています。また、TCFDに賛同する大企業のホームページのCSR報告書やサスティナブルに関するページでも同様の内容を目にすることができます。

開示箇所を空欄にしたものを作成したので、弊社と同じようにTCFDに挑戦される企業のご担当者様のお役に立てればと思い、共有致します。

◆TCFDの全体像とシナリオ分析の位置づけ エクセルダウンロードはこちら
TCFDの全体像とシナリオ分析の位置づけ

TCFDとSCOPEの関係

TCFDが要求する11の開示項目にはSCOPE1,2,3も含まれています。

TCFD 全体とSCOPE

つまり、SCOPE1,2,3の算定は、SBTだけでなく、TCFDでも必要、ということです。SCOPE1,2,3が算定できていないとTCFDの開示要求に十分対応できているとは言えません。

SCOPE1,2,3の算定方法はこちら

※SCOPEについて、弊社がわかる範囲であれば、情報を共有させていただきますので、記事の最後にあるフォームからお気軽にお問い合わせください。

経営層の理解と承認

TCFDのシナリオ分析を始める前に、TCFDの意義を確認しておくことが大切です。TCFDは、気候変動のリスクや機会を経営層に理解してもらい、経営戦略に組み込むことが何より重要とされます。

そのため、開示内容の決定プロセスに経営層の関与が必要です。決定プロセスの開示も含め、経営層への理解や承認が必要となります。

その点を踏まえ、【TCFDを活用した経営戦略立案のススメ】にはTCFDの11項目の開示要求に対する回答のためのチェックリストが掲載されています。

印刷やダウンロードして各社で使えるようにエクセルにしたので、共有します。

TCFD開示内容チェックリスト

◆開示内容チェックリスト エクセルダウンロードはこちら
TCFD 開示内容チェックリスト

中堅企業は【ガバナンス】と【リスク管理】からスタート!

TCFD提言では、中堅・中小企業におけるTCFDの進め方について、下記の記述があります。

中堅企業のTCFD

出典:経済産業省 気候関連財務情報開示に関するガイダンス(TCFD ガイダンス)

つまり、中堅・中小企業は【ガバナンス】と【リスク管理】については財務報告書による開示を推奨している、ということと、可能なものから取り組み、段階的に開示内容を充実させていく、ことが求められています。

※【戦略】【指標と目標】はやらなくてもよい、という内容ではありません。

最後に

今回ご紹介したのはTCFDの導入部分です。11項目ある中のSCOPE1,2,3とシナリオ分析以外は、各社とも開示内容、開示方法は様々なので、「こうすればよい」という型はありません。

すでに開示されている様々な企業のホームページや各種報告書を見て、作成していくしかありません。一方、SCOPE1,2,3の算定やシナリオ分析については、基本的なやり方が用意されています。

SCOPEについては弊社のエコトピックで紹介しているので、ご確認ください。

脱炭素 バナー

TCFDは、賛同して取り組むものであり、認証を取得するものではないため、開示要求項目に最初から完璧に答える、という取り組み方も、もちろんありますが、できる部分から取り組み、開示し、毎年レベルアップしていく方法もあります。

開示要求項目の回答が揃ってから賛同する企業もあれば、賛同してから取り組む企業もあるようです。とにかくやってみることが大切です。

シナリオ分析については、初めてでも取り組みやすいように、環境省のガイドブックをベースとして6つのステップに分けて、テンプレートを作成したので、次回の記事でご紹介いたします。

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