飲食店の場合、1年に1度は清掃しておきたいダクト。そのダクトの現場調査をするうえで、おさえたいポイントを、実際のダクトの現場調査を例にご紹介します。
見落とされやすい給気と排気の出口
弊社の担当が飲食店のダクト調査に行きました。今回は排気ファン清掃の調査です。排気ファンが汚れているとフードからの吸いが弱くなり、厨房内が暑くなって、調理されている方は体調不良や熱中症になる可能性があり、非常に危険です。
排気ファンの羽根の汚れ具合を確認するのはもちろん、Vベルトに亀裂が生じていないか、異音がしていないかなど、他に不具合箇所がないか確認してお客様に提案しました。
吸いが悪くなるのは排気側(空気を中から外へ出す側)に原因が多くありますが、実は給気も悪くなって吸いが悪くなっている事もあります。給気は空気を外から中へ入れる事です。排気だけ見て、給気を見ないで帰る業者もいます。
見落としがちになるので、吸いが悪いという事で調査依頼される時は、給気も調査するように依頼した方が良いでしょう。同様に見落としがちなのが排気の出口です。出口が塞がっていると空気が出なくなるので、吸う事もできなくなります。給気と排気の出口の確認も依頼しましょう。
防火ダンパー、立ち上がりダクトも清掃を!
排気ファンが汚れている時は、厨房フード側も汚れている事が多いです。お客様自身でフードの外観、内側は清掃されていたので、キレイにされていました。防火ダンパーと立ち上がりダクトは、手が届きにくい場所にあるので汚れていました。
防火ダンパーと立ち上がりダクトはグリスフィルタを外さないと確認できず、清掃しにくい場所にあります。防火ダンパーは高温になった時にヒューズという部品が溶けてダンパーが閉じる仕組みになっています。
このヒューズが油で汚れていたり劣化していたりすると切れてしまい、ダンパーが閉じて排気が吸わなくなってしまいます。また防火ダンパーが汚れていると油で固着してヒューズが切れた時に閉じなくなり火災が広がる可能性もあります。
立ち上がりダクトとはフードからメインの排気ダクトまで立ち上がっているダクトの事を言います。ここの立ち上がりダクトが油で汚れていると火の粉を吸った際に引火する可能性あります。
火災という事を考えれば排気ダクトをすべて清掃するべきではありますが、時間も費用も多くかかります。最低でも立ち上がりダクトまでは清掃してキレイにした方が良いです。そのため、今回の調査では防火ダンパーと立ち上がりダクトの清掃も提案しました。
最後に
厨房排気ダクト清掃する主な理由は下記の理由が挙げられます。
- ダクト火災の防止
- 衛生面の向上
- 環境改善
- 機器メンテナンス
特に火災が起こるとどれほどの損害があるか分かりません。定期的な清掃やメンテナンスしていく事が大事だと感じます。
ダクト火災に関してはこちらのエコトピックをご参照ください
■厨房ダクト火災 防ぐにはどうすればいいの?
■【事例紹介】 厨房ダクト清掃 商業施設飲食店テナント/茨城県
■【事例紹介】 厨房ダクト清掃 商業施設飲食店テナント/埼玉県
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