2020年の夏はいよいよ、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。東京オリンピック開催期間は、2020年7月24日から8月9日まで、パラリンピックは2020年8月25日から9月6日までです。
開催期間中である7月後半から9月前半は例年、業務用エアコンの修理依頼が頻発する時期です。開催期間中にエアコンが故障すると、例年のように対応ができない可能性があります。
修理に行けない?
いくつかの企業で開催期間中、休暇やテレワーク勤務が導入されます。
業務用エアコンの工事や修理に必要な機器や部材を供給するメーカーも休む可能性があります。
そうなれば、開催期間中にエアコンから水漏れや効きが悪いといった修理のご依頼をいただいても、交換部材や更新機器が入手できず、修理できない可能性があります。状況を見に行くとしても、混雑の影響で、対応が遅くなることが予想されます。
部材が届かない?
政府はヤマト運輸と佐川急便と日本郵便に対して、オリンピック開催期間中、都心部での時間指定配達を中止するよう要請しています。
これらの配送業者を利用するメーカーの部品や商品の納期に影響が出ると考えられます。上記企業以外の物流業者も同様の対策をする可能性があります。
業務用エアコン設置に必要な、道路使用許可が取れない!?
業務用エアコンの工事では、道路使用許可を取る必要が生じることがあります。その際、開催期間中で開催場所が都心の場合、道路使用許可が取れず、エアコン工事ができない可能性があります。
具体的な対策を検討している企業、組織が少ない?!
弊社はオリンピック・パラリンピック準備局が行うTDM推進プロジェクトに参加しています。
これは、東京オリンピック・パラリンピックの交通混雑を緩和させるための組織で、3925社(2020年1月27日時点)の企業が参加しています。ただ、具体的取り組みを公表しているのは40社前後です。
参照:2020TDM推進プロジェクト 各企業の取組
開催期間中、どのような取り組みをするのか決まっていない企業は多くあります。また、東京都産業労働局によると、東京都の会社企業数は約26万社なので、特に何も対応する予定がない企業も相当数あると考えられます。
2012年のロンドンオリンピックでは開催地の8割の企業がテレワークや休暇を実施し、混雑への対応をしたようです。(東京都の会社企業数26万社の8割は20万6000社になります。)
<参考> ロンドンオリンピックでテレワークを活用したことによる交通混雑緩和の事例
2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会では、交通混雑によりロンドン市内での通勤に支障が生じるとの予測から、市交通局がテレワークなどの活用を呼び掛け、これにロンドン商工会議所をはじめとする企業や市民が賛同する形で、約8割の市内の企業がテレワークや休暇取得などの対応を行いました。結果として、会期中の交通混雑を回避できたことに加え、テレワークを導入した企業では、事業継続体制の確立、生産性や従業員満足の向上、ワークライフバランスの改善などの成果が得られたと報告されています
引用:厚生労働省HPより https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000203549_00001.html
最後に
現段階で、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中、道路や鉄道がどのような状況になり、それによってどんなことが発生するか、正確に予測することは難しいです。だからこそ、準備が必要だと考えます。
飲食店や商業施設、宿泊施設では、オリンピック・パラリンピックに伴う来日客、観光客は大きなビジネスチャンスにつながります。いざ、そのタイミングでエアコンが故障してしまったら・・・夏の暑い日に使えず、快適にお客様へ利用していただけなくなってしまいます。
そうならないためにも、気温が高くなる前に、業務用エアコンの洗浄や修理、点検を行い、必要に応じてエアコンの更新も念頭に、早めの準備をお勧め致します。