弊社は環境省の中小企業向けSBT・再エネ100%目標設定支援事業に応募し、採択され、現在SCOPE1,2,3の算定に取り組んでいます。
前回の「【SBT目標 SCOPE1,2算定に挑戦!】何から始めればいいの? 」では、SCOPE1,2とは何かや、算定について、つまずいた部分などを中心に記載させていただきました。今回はSCOPE1,2の計算式や、SCOPE3の各カテゴリーについて、弊社の場合の算定方法や苦労した部分などをご紹介します。
SCOPE1,2の計算式って?
SCOPE1の計算式
SCOPE1は温室効果ガスの直接排出です。弊社の場合、ガソリン、軽油、LPG、都市ガスが該当します。これらの使用量を集計し、下記の計算式でCO2排出量を算定しました。
■計算式
【ガソリン消費量 kL】×【2.32t-CO2/kl】
※資料①シート2輸送(燃料法)ガソリンの参考原単位
【軽油消費量 kL】×【2.58t-CO2/kl】
※資料①シート2輸送(燃料法)軽油の参考原単位
【LPG消費量 t】×【3.00t-CO2/kl】
※資料①シート2輸送(燃料法)LPGの参考原単位
【都市ガスの消費量 千m³】×【2.23t-CO2/千Nm³】
※資料①シート2輸送(燃料法)ガソリンの参考原単位
これらの合計値がSCOPE1となります。
※資料①:環境省HP 排出原単位データベース(Ver.2.6)
SCOPE2の計算式
SCOPE2は温室効果ガスの間接排出です。弊社の場合、電気が該当します。
■計算式
【各拠点の電気使用量 kwh】×【拠点別の契約電力会社の事業者別排出係数】
この計算で出た数字が弊社のSCOPE2です。
※環境省HPの中に公開されています
事業者別排出係数
弊社は2019年6月に6拠点の電力を再生可能エネルギーに切り替えましたが、今回のSCOPE算定期間である2018年3月から2019年2月以降の取り組みなので、今回のSCOPE2には反映されません。
反映した場合、電気使用量の3割程度の温室効果ガス削減につながります。
最後に
中小企業にとって、SBT目標を設定する上で、最も重要なのは、SCOPE1,2の算定です。大手企業様では省エネ法などで、既にエネルギーデータを管理されているため、既にあるデータから算定すれば済む場合がほとんどです。
一方、法規制がない中小企業にとっては、SCOPE1,2を算定するのに多少苦戦する可能性があります。
気候危機の影響を抑え、パリ協定の目標を達成するためには、中小企業の温室効果ガス排出量を算定することや、削減へ取り組むことは、避けては通れないと考えています。
いつまでにどれくらい削減する必要があるのか、SCOPE1,2の算定が第一ステップとなります。弊社の具体例が、そうした企業様の算定の際、参考になり、取り組みの普及につながればと考えています。
◆SCOPE3のカテゴリー算定方法は?
・【SCOPE3 算定に挑戦!】カテゴリー1,2,3の計算方法!
・【SCOPE3 算定に挑戦!】カテゴリー4 輸送、配送(上流)
・【SCOPE3 算定に挑戦!】カテゴリー5 廃棄物
・【SCOPE3 算定に挑戦!】カテゴリー6,7,11,12!
・ 2020年3月 環境省 「中小企業版SBT 再エネ100%支援事業」結果公開