エアコン工事の際は、室外機の撤去、搬出作業が発生します。室外機はビルの屋上に設置されている場合が多く、夏場は気象庁が観測する気温より高い気温になる傾向があります。さらに室外機から熱風が噴出してくるため、極めて厳しい環境での作業となります。
年々猛暑日が増え、最高気温も更新される中、熱中症に警戒しながら安全に作業するための工夫をしています。
2019年度に試験的に導入したのが、空調服と熱中症計です。熱中症計は温度、湿度、熱中症指数が把握できます。
空調服って涼しいの?
小型ファンが服の両サイドについており、バッテリーでファンを回転させ、服の中に外気を取り込み風を流すことで汗が気化し、涼しくなる服です。小型ファンは取り外し可能で、取り外した服は洗濯できます。試着したエンジニアは「寒いくらい涼しい」と話していました。
どんな環境で作業しているの?
作業場所がどの程度の温度、湿度なのかは、実際に測定しなければわかりません。天気予報の最高気温ではわからない作業環境を知るために、温度や湿度、熱中症指数がわかる熱中症計を試験的に導入しました。
2019年6月26日 アスファルト道路の温度、湿度、熱中症指数
この日の最高気温は29.5度でしたが、アスファルトの上では40.6度にもなっていました。この時は作業車と作業場を往復する際に計測されたものです。40.6度の中で1時間2時間作業していたわけではないのですが、天気予報の気温よりアスファルト道路では10度も高いことが分かりました。
こういった環境下でエアコン工事だけでなく作業や活動をする場合は、こまめに涼しい場所で休憩したり塩分を含む水分を補給することが、熱中症を予防する上で非常に重要となります。
2019年6月28日 エアコン洗浄中のオフィス内
気温は27.2度ですが湿度が88%と高く、熱中症指数は厳重警戒となっています。湿度が高いと汗が蒸発せず、体温を下げることができず体内に熱がこもり、熱中症になる危険が高まります。
■熱中症指数とは、温度と湿度の関係性から熱中症レベルを、「危険」「厳重警戒」「警戒」「注意」の4段階で知らせてくれます。
出典:環境省 熱中症予防情報サイト
エアコンを洗浄していると、エアコンは使えないので、湿度が高い時も気温が高い時と同様、塩分を含む水分をこまめにとり、涼しい場所で休憩をとるなどして体温が上がりすぎないようにすることが大切です。
こんな工夫もしています
エアコン工事や洗浄、メンテナンス作業をしている時は、エアコンを使うことができないので、少しでも気温を抑え、熱中症を予防するため、様々な取り組みをしています。
屋上に日陰を作る
ビルの屋上や夜間作業外で長時間作業や調査が必要な状況の際は、テントを設置し、日陰の環境を作ったうえで作業や調査をするようにしています。
熱中飴、スポーツ飲料
オフィスや作業車に熱中症飴とスポーツ飲料を常備し、作業場所で水分や塩分を補給できるようにしています。
作業車両にタオルを常備
熱中症が疑われる症状が出た場合に、首やわきの下を冷やせるよう、作業車両にタオルを常備し、濡らして使えるようにしています。
環境省主催【ひと涼みアワード】で毎年表彰
弊社は2013年から環境省が主催する【ひと涼みアワード】に毎年エントリーし、表彰をいただいております。
【関連トピック】熱中症対策「ひと涼みアワード」最優秀賞受賞!
【関連トピック】「ひと涼みアワード2016」にて、最優秀声かけ賞 アイデア部門を受賞しました!
最後に
2018年度の5月から9月の熱中症搬送者数は95,137人。2017年より42,153人増えています。地球温暖化の影響で今後さらなる気温上昇が予想される中で、より過酷な環境でも安全に、そして正確で確実な作業を行うために、弊社は年々改善をして、熱中症に対して取り組んで参ります。
出典:消防庁