近年、地震や台風などの自然災害が増加している中、企業や個人の間で災害時の対策がますます重要視されています。特に、災害発生時に必要な設備の導入は、被害を最小限に抑えるための重要な手段です。
しかし、その導入には多額の費用がかかることから、補助金制度の活用が鍵となります。
この記事では、【令和7年度】の災害時対策に役立つ設備導入に利用できる補助事業について解説します。
目次
【環境省】
地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業 50億円(昨年度20億円)
【事業内容】
公共施設等(※1)への再生可能エネルギー設備等の導入を支援し、平時の脱炭素化に
加え、災害時にもエネルギー供給等の機能発揮を可能とする。
設備導入事業として、再生可能エネルギー設備、熱利用設備、コジェネレーション
システム(CGS)及びそれらの附帯設備(蓄電池(※2)、充放電設備、自営線、熱導管等)
並びに省CO2設備(高機能換気設備、省エネ型浄化槽含む)等の導入費用の一部を補助。
※1 地域防災計画により災害時に避難施設等として位置付けられた公共施設及び公用
施設、又は業務継続計画により災害等発生時に業務を維持するべき公共施設及び
公用施設(例:防災拠点・避難施設・広域防災拠点・代替庁舎など)に限る。
※2 蓄電池としてEVを導入する場合は、通信・制御機器、充放電設備又は充電設備と
セットで外部給電可能なEVに蓄電容量の1/2×4万円/kWhを補助。
※ 都道府県・指定都市による公共施設等への太陽光発電設備導入はPPA等に限る。
【支援対象】
●地域防災計画により災害時の避難施設等として位置付けられた公共施設等
●業務継続計画により、災害等発生時に業務を維持するべき公共施設等
補助率:都道府県・指定都市:1/3
市区町村(太陽光発電又はCGS):1/2
市区町村(地中熱、バイオマス熱等)及び離島:2/3
【対象設備】
再エネ設備、蓄電池、CGS、省CO2設備、熱利用設備 等
「環境省」のPR資料
【経済産業省】
災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金 40億円(昨年度40億円)
【事業概要】
(1)避難所や避難困難者が多数生じる施設等に設置するLPガスタンク、石油タンク等を
導入する者に対し、LPガスタンク等の購入や設置工事費に要する経費の一部を補助
する。
(2)避難所や病院等、災害時において特に重要な拠点となる施設にLPガスタンク、石油
タンク、自家用発電設備等を導入する自治体に対し、タンクの購入や設置工事及び
施設改修等に要する経費の一部を補助する。
●補助対象施設と補助率(令和6年度の公募内容参考)
①災害等発生時に避難場所まで避難することが困難なものが生じる施設
→医療施設。福祉施設(老人ホーム)等
→1/2以内(ただし、中小企業者が運営する場合2/3以内)
※ただし、医療施設のうち、災害拠点病院、災害拠点精神科病院、へき地医療拠点病院、へき地診療所、
救命救急センター、周産期母子医療センターは除きます。
②公的避難所(地方公共団体が災害時に避難所として指定した施設)
→自治体庁舎、公立学校、公民館、体育館 等
→1/2以内
③地方公共団体が認知した一時避難所となり得る施設
→商業施設、宿泊施設、事務所、工場 等
→1/2以内
※②または③の場合、その設備先となる市区町村が国土強靭化地域計画を策定済みであること、もしくは
大規模地震対策特別措置法第3条の規定による地震防災対策強化地域に指定されている事が要件となります。
●補助対象設備
・LPガス災害バルク貯槽又はシリンダー容器
(但しシリンダー容器の購入は補助対象となりますが、必須ではありません)
・LPガス発電機(コジェネレーション含む)
・空調機器(GHP等)
・燃焼機器(コジェネレーション、炊き出しセット、コンロ、炊飯器、
給湯器(ボイラー含む)、ガスストーブ、ファンヒーター)
・簡易スタンドユニット
【経済産業省】のPR資料
【国土交通省】
災害時拠点強靭化緊急促進事業
【事業概要】
帰宅難民者への対応(一時滞在施設の確保)
主要な駅の周辺において、民間再開発ビル等を活用して、行き場のない帰宅困難者の一時滞在施設の確保を促進
<対象施設>
地方公共団体と帰宅困難者の受入※に関する協定を締結するオフィスビル、
学校、ホール 等
※100人以上の帰宅困難者を受け入れること。なお、既存建築物を活用する場合は、20人以上とする。
<対象地域>
1)都市再生安全確保計画等に位置付けられた地域
2)国土強靭化地域計画や地域防災計画において帰宅困難者対策が位置付けられた
地域
3)その他大規模災害時に多数の帰宅困難者が見込まれることから帰宅困難者対策
が必要であると地方公共団体が認める地域
負傷者等への対応(災害拠点病院等の整備)
大量に発生する負傷者等に対応するため、災害拠点病院等の整備を促進
<対象施設>
都道府県が指定する災害拠点病院及び災害拠点精神科病院
<対象地域>
全国
●補助対象設備
・帰宅困難者や負傷者等を受け入れるために付加的に必要となるスペースや防災備
蓄倉庫、非常用発電機、給水関連設備(耐震性貯水槽、防災井戸等で、浄化設備、
揚水機及び配管等を含む。)等の整備に要する費用(掛かり増し費用)
・災害拠点病院等のヘリポートの整備に要する費用
(災害救助用の大型ヘリを整備する場合の掛かり増し費用相当分)
※原則、躯体工事を伴う整備に要する費用に限る
●補助率
①民間事業者が整備主体の場合
→国:2/3 地方:1/3
②地方公共団体が整備主体の場合
→国:1/2
【国土交通省】のPR資料
最後に
今回ご紹介した内容は、各省庁から財務省に提出された概算要求であり、確定している内容ではありません。ご了承いただいたうえで、予算や事業計画にお役立てください。
最近は、地方自治体から募集している補助事業も多くありますので、最新の情報は都度お知らせしていきます。
ご不明な点がございましたら、弊社の営業担当からご説明をさせて頂きますのでお気軽にお問い合わせください。