冬なのにオフィスが暑い
「冬なのにオフィスが暑い。でも窓が開かないから冷房を使うしかない。省エネしたいのに・・・」そう感じることはないでしょうか。環境省の温室効果ガス排出抑制等指針でも下記の記述がありました。
◆近年、建物の機密性の向上、コピーやプリンターなどの発熱量の大きいOA機器の増加などにより室内発熱が増加し、中間期や冬期に冷房が必要な場合が増えている。
◆中間期、冬期の冷房需要が多いビルでは、外気温度が室温より低い(又は冷房送風温度に近い)場合に、冷凍機を運転せずに送風運転のみを行う外気冷房システムを導入し、熱源設備のエネルギー消費量やCO2排出量の削減を図る。
出典:環境省
「外は寒いのにオフィスは暑い。窓は開けられない」そんなとき、窓を開ける代わりに、外気ダンパーを開けることで、エネルギーを使わなくても室温を調節することができます。
冬の冷房だけでなく、中間期(夏、冬以外)は積極的に外気からの空気による自然冷房を活用することで、電気代もCO₂も削減できます。
省エネルギーセンターによると空調機の外気ダンパーを開度20%から100%に開いて外気冷房した場合、10%の省エネ効果があるといわれています。
外気冷房をするには?
- 外気取入ガラリ・ダクト寸法から、導入可能な外気量を把握する。
- 空調機外気取入ダクトサイズを変更する。
- 取入れ外気、空調機への還気、屋外への排気系統にモーターダンパ等の風量制御装置を設置し、外気取入有効時に外気冷房運転ができるよう、各モーターダンパ等の比例制御ができるよう自動制御を改良する。
※空調機等で外気冷房が有効な外気温度の目安は、おおよそ13~20℃の温度帯である。
出典:環境省
換気による外気導入は空調の負担になる場合もあります。構築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管理法)では、室内のCO2濃度を1000ppm以下としています。CO2計を用いて室内の濃度を確認し、濃度が低ければ換気回数を抑えることで省エネになります。
※CO₂測定器は2万円前後で一般的に販売されています。
※ダンパがない設備の場合、外気冷房はできません。
その他、すぐできる省エネ
オフィスビルで使用されている主なエネルギーは空調、照明、コンセントです。部門別では空調約30%、照明約40%、コンセント等30%となっています。季節での変動が大きい空調の使い方をちょっと意識するだけで省エネに繋がります。
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」と「労働安全衛生法の事務所衛生基準規則」で定められた範囲の室温が17℃~28℃です。
こういった法律の背景があり、エアコン設定温度は『夏:28℃ 冬:20℃』を推奨する所が多くなってきています。
冷房時の室温を26℃から28℃に変更すると、約11%の省エネ効果があるといわれています。
出典:省エネルギーセンター
また空調フィルターの目詰まりは空調効率の悪化に繋がります。月1回程度点検し、必要に応じて掃除を行うことをお勧めします。
フィルター清掃方法は「冬のエアコン 賢く使う10のポイント」の6を参照ください。
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by ESC事業部 テクニカルサポートグループ EM課 佐野