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【GXシリーズ③】現在の8倍以上のペースで系統整備を進める!?GX基本方針の再エネ取り組みの中身は?!

エコトピック
脱炭素関連
風力発電 イメージ

今回は、GX基本方針で挙げられている【再エネの主力電源化】について、具体的にどのような施策が行われるのか、解説いたします。

省エネのための取り組みについては下記記事をご覧ください。
【GXシリーズ②】GX基本方針の一丁目一番地【徹底した省エネ】の具体的な内容は?

GX基本方針で再エネ普及は不可欠!

GX基本方針の中では、以下の三つの具体的な取り組みが挙げられています。

  1. 徹底した省エネの推進
  2. 再エネの主力電源化
  3. 原子力の活用
GXに向けた取り組み

経済産業省 「2030年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)」p.70の図を元に作成

今回はその中でも、2.再エネの主力電源化について解説いたします。

※今回の記事では、GX基本方針に記載されていた再エネの取り組みについて重点的に解説いたします。
日本の再生可能エネルギーの現状や今後の展望については以下の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
今後どうなる?「再生可能エネルギー」について解説!

再エネの【主力電源化は 最優先原則】!

再エネを主なエネルギー源にする、というこの項目については、S+3E(安全性:Safety、安定供給:Energy Security、経済性:Economic efficiency、環境:Environment)を前提に、最大限導入拡大に取り組むとしています。

再生可能エネルギーを主なエネルギー源とすることができれば、エネルギー源を外国からの輸入に頼る、という今までの日本の脆弱なエネルギー構造を克服することができます。

また、同時に、電源の脱炭素化にもつながり、2050年カーボンニュートラルの実現に大きく近づきます。

これらの理由から、政府は2030年の再生可能エネルギー比率36~38%の確実な達成を目指しています

その達成に向けて具体的にどのような取り組みが行われる予定なのか、解説いたします。

太陽光発電は ”最大限導入!”

太陽光発電

再エネの主力電源化の実現のために直ちに取り組む対応として、太陽光発電の適地への最大限の導入が挙げられています。

そのために、関係省庁・機関が一体となって、公共施設、住宅、工場・倉庫、空港、鉄道などへの太陽光パネルの設置拡大を進めるとともに、温対法等も活用しながら、地域主導の再エネ導入が進められる予定です。

また、出力維持に向けた点検・補修などに関する知見の共有を図ります。

洋上風力 の導入拡大に向けた ルール見直し!

洋上風力発電

また、洋上風力については、早期運転開始の計画を評価するインセンティブ付けを行うなど、洋上風力公募のルールの見直しを踏まえ、2022年末に公募を開始しました。

洋上風力の導入には、「日本版セントラル方式」という施策が導入される予定です。

これは欧州で広く採用されている施策で、洋上風力発電の普及を促進するため、発電事業者を公募する前に国が特定の海域で風の状況や地質の調査を一括して行う制度です。

事業者自身が、その場所が風力発電に向いているかを調査する必要がなくなるため、洋上風力事業を行うハードルが下げられ、事業としてのリスクも下がります

来年度に調査に着手し、25年度から公募が適用される予定です。

日本版セントラル方式

参照:経済産業省「日本版セントラル方式」における調査対象区域選定に対する考え方

【系統整備】と【調整力】強化!

また、中長期的な施策としては、再エネ導入拡大に向けて重要となる系統整備及び出力変動への対応を加速します。

系統整備とは?
風力発電などの再生可能エネルギーの適地は、多くの場合電力の需要地から離れており、送電網が脆弱な地域が多いです。

そのため、再生可能エネルギーの導入拡大には、送電線の整備により送電可能な量を増やすことが必要です。これを系統整備と言います。

系統整備については、今後10年間程度で過去10年間と比べて8倍以上の規模で整備を加速することが目標として掲げられています

また、出力変動を伴う再生可能エネルギーの導入拡大には、脱炭素化された調整力(電力の需要の変化に併せて供給を一致させる能力)の確保が必要となります。

蓄電池による出力変動への対応

参照:経済産業省 「再エネの大量導入に向けて」

これに対する解決策としては、定置用蓄電池の導入に向けた民間企業の投資誘発や、FIP制度の導入の拡大などが挙げられています。

※FIP制度については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
再エネ主力化へ~「FIP」と「高度化法」とは?

その他の ”有望な再エネ” 支援も!

他にも、以下のような取り組みが推進される予定です。

  • 揚水発電所の維持・強化、分散型エネルギーリソースの制御システム導入支援
  • 余剰電気を水素で蓄えることを可能とするための研究開発・実用化
  • 次世代型太陽電池(ペロブスカイト)の早期の社会実装に向けて研究開発・導入支援
  • 浮体式洋上風力の導入目標の設定、技術開発や大規模実証の実施
  • 風車や関連部品、浮体基礎などの関連産業の大規模かつ強靭なサプライチェーン形成
  • 将来想定される太陽光パネルの廃棄量増加への対処
  • 地熱、水力、バイオマスの規制や制度の不断の見直し
  • 事業性調査、資源調査、技術開発、AIやIoTの導入支援

※GX基本方針を踏まえた各支援事業や取り組みは下記をご参照ください。

最後に

GX基本方針によって、今後より一層、再生可能エネルギーを導入する際のハードルが下がると考えられます。これを機に、自社で使うエネルギーの再エネへの転換を考えてみてはいかがでしょうか。

弊社では、自家消費太陽光発電工事の事業も行っております(導入事例はこちら)。ご興味のある方は、下記のフォームからお気軽にご相談ください。

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