2018年12月4日、都内にて経済産業省 資源エネルギー庁主催の【ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業 調査発表会2018】が行われ、弊社も参加しました。弊社はZEBプランナーとして登録を受けており、既存建築物を所有するお客様に対し、必要に応じてZEB化の提案をしております。
ZEBってなに?
【ZEBの定義】:年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物
【ZEBの目標】:「エネルギー基本計画」(2014 年4月閣議決定)において、「建築物については、2020 年までに新築公共建築物等で、2030 年までに新築建築物の平均でZEBを実現することを目指す」とする政策目標が設定されています。
出典:経済産業省
ZEBの調査発表会ってどんなことをするの?
ZEBの登録時、国に情報を開示することになっているため、開示された報告をまとめた内容が発表されました。主なプログラムは以下の通りです。
■開会挨拶
■基調講演
・主催者挨拶及び趣旨説明
・環境省政策について
■ZEB実証事業 調査発表
・ZEBプランナー、ZEBリーディング・オーナーの登録状況について
・採択事業の傾向と分析
・WEBプログラム未評価技術について
・実績データの集計と分析
■ZEBプランナーによるZEB普及に向けた取組み
・既存建築物のZEB改修プロジェクトの推進について
・(仮)ZEB化に資する個別技術の効果と、テナントZEBについて
H30 ZEB(経産省+環境省)調査対象事業は36件 ZEB3件、NearlyZEB 6件
平成30年 申請件数67件に対し、交付決定された事業36件のうち、ZEBが3件、Nearly ZEBが6件、他27件はZEB Readyでした。ZEBは全て新築、Nearly ZEBは新築5件、既存建築物1件、ZEB Readyは新築20件、既存建築物7件となっています。交付決定事業の種別は10,000m²未満が9割を占め、半数が事務所となっており、約8割は新築での事業となりました。他にも実際の導入事例の効果と実績や導入された省エネ技術の紹介もありました。
出典:SII公開データ
既存建築物のZEB改修が少ない現状と課題、効果の検証
新築に対して既存建物のZEB事業が少ないことについて、図面などのデータがそろっていない、業務に支障が出る、大規模修繕か部分的修繕か選択が難しいなどの理由が紹介されました。それに対し、実際の既存改修事例を用いて、一次エネルギー削減率50%以上は不可能ではないことや、該当案件は早く更新したほうが良い、建築後15年以上経過したビルは設備更新の時期なのでZEB改修の検討をするのがよいのではないか、といった報告がなされました。
その他の報告内容については公開されている資料をご参照ください。
※ご利用の際は、ご利用にあたっての注意事項をご確認いただき、記載されている事項に従ってご利用ください。
出典:経済産業省資料
最後に
今回の発表会は、ZEBという取り組みに対しての全体の進捗状況を確認し、各企業の取り組みやノウハウを共有することができ、有意義なものとなりました。まだまだ事例も少なく、実際取り掛かるとなると時間と労力を必要とするZEBですが、脱炭素社会を実現するためには避けて通れない取り組みだと考えています。弊社としても知識やノウハウ、経験を積んで普及に貢献できるよう、進めてまいります。