浴室内で起こるよくあるトラブルの一つとして、錆が原因のトラブルがあります。
浴室は水気が多い環境のため、対策せずに放置して使用していると発生した錆が進行してしまうケースが多くあり、長時間放置するほど対処する事が困難になってきます。
今回はそんな浴室の錆トラブルの原因と対処方法について解説します。
よくあるケース1 もらい錆(もらいさび)
もらい錆とは、金属製品に発生した錆が他の製品に付着してできる汚れの事をいいます。
本来錆びる事がない材質のプラスチック製浴槽(FRP浴槽)でも、製品起因ではなく外部からの原因で錆変色が発生します。
ヘアピンやカミソリに発生した錆が浴槽やキャビネット棚にうつり茶色く変色してしまうケースが一般的です。
よくあるケース2 壁の錆腐食・錆膨れ
壁の錆腐食・錆膨れは、浴室の壁面にボコボコとした凹凸が発生する症状です。
壁の下周り(浴槽や床との境部分)あるいは水栓の根本周りに発生する事が多く、発生した錆は徐々に拡大して最終的に壁に穴が空くほど悪化します。
漏水に繋がるリスクがあるため、見つけた場合は必ず対処すべき症状といえます。また、壁から錆が滲み出る事で浴槽や床にもらい錆が発生するケースもあります。
もらい錆の原因と対処方法
【原因】
ケース1で解説した通り、もらい錆は金属製品の錆が原因で発生します。
カミソリやヘアピン等の金属を「置きっぱなし」にしている事で錆が発生し、錆びた金属の周辺へ錆がうつっていきます。
【対処方法】
もらい錆は、ついてすぐであれば拭き取るだけで除去できる場合があります。
清掃で除去できないほどに変色している場合は研磨する必要がありますが、研磨を行うと表面が荒れてしまうため、研磨後は逆に汚れが付着して落とせなくなるリスクがあります。
そこで弊社では特殊クリアコーティング施工での対処を推奨しております。
特殊クリアコーティングはサンドペーパーを使用して表層を研磨して変色を除去した後、透明な特殊塗料を塗布する事で表面を鏡面に仕上げています。
サンドペーパーによって荒れてしまった表面をコーティングする事で汚れが付着するリスクもケアできます。
壁の錆腐食・錆膨れの原因と対処方法
【原因】
壁の錆腐食は、壁の鋼板部分に水が入り込んでしまう事が原因で発生します。
一般的にユニットバスの壁は塩ビ鋼板(塩化ビニル鋼板)と呼ばれる建材を使用しており、水の侵入箇所は鋼板端部のコーキング劣化箇所や鋼板に取り付けた器具の穴部分が大多数を占めます。
コーキングで処理してある壁の下周りや、水栓の根本周りに錆が発生しやすいのはそのためです。
【対処方法】
腐食箇所を削って可能な限り錆の除去を行い、錆止め塗布とパテ処理(整形)した後プレートを上貼りして対処します。
プレート表面には浴室用の防カビ抗菌仕様のフィルムを貼る事で、施工後のメンテナンス性の向上を図り、補修箇所だけ大きく色が変わらないようにしています。
※錆の除去や錆止め塗布を行わないままプレートを上貼りするだけでは根本の原因が解決していないため、プレート裏側で錆侵食が進んでいきますのでご注意ください。プロへ依頼し、正しい施工方法で補修する事をお勧めします。
最後に
今回は錆トラブルの原因と対処方法について解説しました。
錆は原因を正しく理解する事で、日頃の使用方法やメンテナンス方法を改善して未然に防ぐ事が可能です。
賃貸物件においては入居される方の使用方法を管理する事が難しいため、入居前の原因予防や退去時の早めの対処が大切になってきます。
浴室の錆トラブルでお困りの事がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。