IT技術の進化、普及に伴い、弊社でも2,3年前から作業報告書を電子化したり、スマートグラスを導入したり、様々なDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れています。
そのような中で、新型コロナウイルスが発生しました。これまで導入した様々なITツールが活躍し、比較的スムーズに、変化に対応することができました。今回は弊社のDXの取り組みの一例をご紹介します。
紙から電子報告書へ
2019年3月、弊社の作業報告書及び写真報告書が電子化されました。これまで手書きで郵送していたものが、遠隔でリアルタイムに作成され、チェックされ、提出できるようになりました。
工事現場で使用する人の声
- 移動時間で書類作成できるようになり、オフィスでの書類作成時間が減った
- 写真の提出率が上がり、報告書提出のスピードが速くなった
- 手書きより、見た目が綺麗
管理する人の声
- 提出の有無の確認がしやすい
- 過去のデータを探したり確認したりしやすくなった
- 遠方の拠点間の情報共有ができ、やりとりがしやすくなった
- スキャンやFAX、ファイリングの手間がなくなった
- ペーパーレス化ができた
スマートグラスでベテラン社員の視点を活かす!
2020年6月、スマートグラスが7台導入されました。スマートグラスとは、メガネ型の電子機器です。様々な種類が出ており、機能も多種多様ですが、弊社で導入したスマートグラスでは下記のことができます。
スマートグラスでできること
- 両手で作業しながら、メガネ部分に表示されるマニュアルや注意点を確認できる
- 作業中の視点を、遠隔の第3者にリアルタイムで共有でき、会話もできる
- 録画も可能
- 音声での操作も可能
◆注意点
- スマートグラスはお客様の許可を得てから、問題のない場所で使用しています。
- Wi-Fiに依存するので、地域や地下などの環境状況により使用できない機能があります。
弊社では、主に空調機更新工事などの現場調査時に、ベテラン社員の遠隔での確認に使用しています。
写真では見逃してしまうことも、リアルタイムに動画で確認することができるので、認識のずれや確認漏れをその場で解消することができます。
また営業担当と作業員のやりとりも、言葉や写真では伝えきれない現場の状況を共有することができるので、スムーズに伝えることができ、お客様への正確で分かりやすいご報告につながっています。
また、若手社員が積極的に現場調査に一人で行けるようになったことで、技術や知識の習得につながりやすく、熟練社員の時間の効率化にもつながっています。
会議や研修は、WEBセミナーと動画配信へ
新型コロナウイルスの影響で、弊社でも色々なことができなくなりました。その代わりに、様々なITツールを活用し、変化に対応してまいりました。
できなくなったこと | 新たに挑戦したこと |
会社説明会 | WEB 会社説明会 |
新入社員歓迎会 | WEB 歓迎会 |
新入社員研修 | 社員自己紹介 動画配信 |
協力業者さんを集めての安全大会 | 安全大会 動画配信 |
省エネ補助金説明会 | 省エネ補助金セミナー 動画配信 |
採用時の会社説明会がリモートになったことで、学生にとっても移動時間や費用が削減でき、参加しやすくなっているようです。
安全大会に参加していた協力業者さんは、「動画なら参加できない社員にも共有できるし、何度も確認ができるので、こっちのほうが良い」といったご意見もいただきました。
新型コロナウイルスの影響が収まった後でも、リモートを活用した業務の一部はそのまま、定着していきそうです。一連の取り組みの中で、直接会うことのメリット(会えないことのデメリット)もありますが、動画配信のメリットも知ることができました。
最後に
DX化により、情報は様々な形で共有できるようになりました。場所を問わないので、タイムロスも最小限で済みます。
よりわかりやすく、正確に伝わることで、トラブルやミスを防ぎ、若手教育にも効果的です。
一方で、直接会えないことの不安もやはり、あると感じます。例えば採用や新入社員研修の面では、新入社員同士の横のつながりが弱まり、困ったときの相談相手は、以前よりも限定的になっているような印象をうけます。
また、仕事以外のコミュニケーションから生じるアイディアは、生まれにくくなっていると感じます。
仕事を頑張る理由の一つに、仲間の存在があります。やりがいや、仕事を通して感じる喜び、達成感、それを共感できる機会は、減っている気がします。
そうした部分は、何らかの形で補っていく必要があるのかもしれません。
弊社では、今回ご紹介したツール以外にも、様々なITツールの導入に取り組んでいます。
DXのメリットだけでなく、デメリットも把握したうえで、双方を補えるような、より効率的な業務のしくみができるよう、今後も挑戦と工夫を続けてまいります。