省エネ補助金として代表的なエネ合(エネルギー使用合理化事業者支援事業)ですが、令和3年度の省エネ補助金は名称も【先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金】に変わり、内容も改訂されます。ではどのように改訂されるのでしょうか。
※今回ご紹介する内容は、確定されたものではありません。予めご了承ください。
目次
【先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金】詳細
2020年9月に発表された経済産業省の概算要求の事業パンフレットでは、【先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金】の予算は325億円となっております。
これまでのエネ合では、【設備単位】と【工場・事業場単位】に分けられていました。
令和3年度の【先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金】は4つの事業に分けられています。
※各事業について、大企業は対象ですが、省エネ法のSランク、またはベンチマーク目標達成見込みのある事業所に限ります。
先進事業
概要
・事前に登録された【先進設備】を導入する場合に補助されます。
※どのような設備が登録されるかは未定(環境省の機器登録制度L2-Tech製品のようなイメージ)
申請要件
・下記のいずれかを満たす必要があります。
1、事業場全体で30%以上の削減が必要(※1指定設備導入事業と合わせて申請可能)
2、事業所全体で1000kl以上
3、原単位改善15%以上
補助率
・中小企業 : 材工の2/3
・大企業 : 材工の1/2
※令和2年度より高い補助率
対象設備
・空調、冷凍機など、事前登録された設備
※1 指定設備導入事業と合わせて申請する際のイメージ例です。
オーダーメイド型事業
概要
食品工場の製造ラインや、ゴミ焼却設備、化学プラント等、個別設計が必要な施設に対して補助されます。
申請要件
◆下記のいずれかを満たす必要があります。
・省エネ率 10%以上
・省エネ量 700kl以上
・エネルギー消費原単位改善率 7%以上
・個別設計が必要な特注設備の導入、または、複数事業者の連携した設備導入(プロセス変更など大規模工事が該当)
補助率
・投資回収が7年以上
中小企業 : 材工の1/2
大企業 : 材工の1/3
・投資回収が5年以上7年未満
中小企業 : 材工の1/3
大企業 : 材工の1/4
対象設備
・特注であれば設備の制限はありません。
指定設備導入事業
令和2年度までの設備単位補助金に似ていますが、大きく違うのが補助額と対象企業です。
申請要件
・従来機器と比較して一定以上、省エネになる設備を更新する場合に補助されます。
補助率
・中小企業、大企業共に定額
※令和2年度までは機器の1/3の補助率でしたが、定額、と、大きく変更されました。
※令和2年度までは中小企業が対象でしたが、大企業も対象になりました。
対象設備
・昨年度の設備単位補助金を参考にしてください。
他
・補助額のイメージ
例)5馬力の4方向シングル空調設備で、消費電力~kw以下に~~万円 といったイメージです。
※大企業は対象ですが、省エネ法のSランク、またはベンチマーク目標達成見込みのある事業所に限ります。
エネマネ事業
申請要件
・EMSの制御効果と運用改善で省エネ率2%(未定)
・エネマネ事業者と3年以上のエネルギー管理支援サービスの契約が必要
補助率
・中小企業 : 材工の1/2
・大企業 : 材工の1/3
対象設備
・SIIに登録されたEMS機器
どの事業に申請すればいいの?
4つの事業がありますが、どの事業に申請をすればいいか、の判断について、下記のフローチャートを参考にしてください。
最初に確認することは、事業所全体で30%以上削減できるかどうかです。
30%以上の削減って、どんな場合?
先進事業の要件である30%削減の可能性があるのは、下記のような場合が考えられます。
申請する場合、スケジュールは?
現場調査や見積作成に1か月程度、また申請書類作成に1か月程度を見込んでください。
最後に
今回ご紹介した内容は、まだ確定していない部分があります。その点、ご了承いただいたうえで、予算や事業計画にお役立てください。
◆今回ご紹介した内容を動画でも解説しています。
◆下記記事も合わせてご参照ください。
・工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(環境省)
・災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金